株式会社兵庫ネクストファーム さま
株式会社兵庫ネクストファーム さま
ユーザー紹介
「次世代施設園芸導入加速支援事業」の一環として、兵庫県加西市にグループの中で最初に完成した大規模施設園芸団地。これらの運営を行うとともに、新しいカタチの農業を価値ある産業として地域に根付かせるため、兵庫ネクストファームは誕生しました。
インタビュー:兵庫ネクストファーム 農場長代行 北田 敏明 様
この事例で使われている
ソリューション・製品
当記事は動画でご覧いただくことができます。
―サラダボウルグループにおける
兵庫ネクストファームの役割について教えてください。
兵庫ネクストファームは作型が暑い環境なのでグループの中でも作型が固定されている農場になります。
具体的には8月に定植して翌年の7月に最終収穫となりグループ内でも夏越えができない数少ない農場です。
ただ、春先から気温が高くなるとお客さまのトマトを買う需要が増えますので、そこに向けて春夏のスーパーの棚を確実に確保するという役割があります。
その上で農業というのはどうしても気象条件に左右されますので、安定した量をいつでも安定した品質で同じような価格で供給するというのが極めて難しい産業です。
サラダボウルグループは全国に複数農場を持ち、かつ栽培期間を年間を通じてリレーできるという企業ですので、スーパーさんに対して『4定』「定時」「定量」「定品質」「定価格」という、「4定」を通じてお客さまの満足度を高められる売り場作りができますというのがサラダボウルの役割です。
―どのような目的でCoolPescon を導入されたのでしょうか。
兵庫ネクストファームは夏に定植して次の夏まで採る作型であるという特性があるので、高温時の開花や着果状況の安定、春先の乾燥などが大きな課題としてあります。
そのためミストを導入することで夏の定植時期を少し前倒しできないか、春先に尻ぐされの出やすい品種の尻ぐされを防ぐことができないか、そういったところを目的として導入しました。
春先にしおれると尻ぐされがすごく出て廃棄になってしまう難しい品種を取り組んでいたこともあって、トマトの可販果収量、尻腐れが出ないようにして収量を上げる、こういったところも導入の決め手だったのかなと思っています。
導入後、春先についてはしおれというものは基本的にはほとんどなくなりました。
日中の低湿度が原因で尻腐れが発生するということはなくなったかなという印象があります。
―目的の一つである、栽培期間を延長することはできましたか?
トマトを収穫できる期間はミストによって確実に伸ばすことができると実感しています。
栽培期間の伸ばし方ですが、作の前半を前倒すのではなく、作の前半は8月の下旬のまま、7月の末に終わっていたものを8月の上旬まで延ばせないかという挑戦をしています。
3週間とか延ばして3段うまくいけば4段、いま48段なので50段で摘芯ぐらいかな。うまくいけば収量が10%アップというところです。
尻ぐされが出にくい品種での結果なので、尻腐れとかが出やすい品種についてはさらにプラスアルファ、収穫量は増える可能性があると思っています。
―CoolPescon があってよかった!と思ったところはありますか?
まさに去年、苗を入れる8 月が全国的にも過去最高気温だったと思うのですが、ここでも最高気温が38度とかトマトの生育には適さないような気温になりました。
ただ、そのときに屋根の上に遮光剤を塗りいけうちさんのミストも対応したことで、外気温に比べてマイナス4度まで下げることができ、何とか栽培ができました。
ミスト導入前は相対湿度が40% や30% に行くこともあったのですけれども、ミストを入れてからは基本的には60%以下にはならないような管理も実際にできる状態です。
尻ぐされが出にくい品種での結果なので、尻腐れとかが出やすい品種についてはさらにプラスアルファ、収穫量は増える可能性があると思っています。
― 大規模農場の環境制御で一番大切なことを教えてください。
規模が大きいこの農場で一番大切なことは均一な環境、均一な生育状況に保つことだと思っています。
そんな中で昨今気象の変動が激しいので、ミストを導入することで環境をある程度均一化できることはメリットかなと感じています。
最近気温がすごく高くなってきているのですが、気温が急に上がるとハウスの窓が温度を逃がすために開こうとします。その際に、乾燥した空気が急に入ってくるためしおれやすいということがあります。
ミストがないと急にものすごい乾燥した水準まで行って、しばらく続いてしまうとしおれやすいと思うのですが、ミストを噴霧することでしおれるほどの乾燥まではいかず、すぐに適正な湿度に戻すことができるので大きな問題が起きないと考えています。
― 最後にひとことメッセージをお願いします。
導入した後に気付かされたのですが、一番メリットを感じているのは「アフターフォローの手厚さ」です。
導入した後も定期的なフォローをしていただいており、実際に農場に入って使用感を聞いてくださったり、細かな仕様変更や、こちらからの噴霧時間などを調整したいという要望にも積極的に応えていただいています。
より生産者がやりたい制御ができるなと感じています。今後とも長くお付き合いいただければと思います。