工場用空調の種類や選び方とは?メリットや費用、改善方法も解説
従業員が快適に作業できる、または製品が適切に管理される環境づくりを目的に、より良い工場の空調について検討することは重要です。工場の空調は多くの種類があり、設置する場所や取り扱い製品、空調で解決したい課題に合わせた製品やシステムを選ぶことができるよう、今回の記事では工場の空調の種類や選び方を解説します。
工場の空調を設置するメリットや費用、改善方法についても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
もし、工場等への業務用加湿器の導入についてご検討中であれば、株式会社いけうちにご相談ください。
ドライフォグ加湿システムAIrAKI(エアラキ)は、業務用2流体加湿器AKIMist-E(アキミスト)を用いて、ものに触れても濡れない霧(ドライフォグ)を省エネルギーで噴霧することができます。
より省エネ性能が高い1流体加湿システムAirULM(エアウルム)は、天井高さがある現場にお勧めです。
また、AE-Tセットは配管工事不要でドライフォグを導入することができ、コンプレッサーエアーを供給するだけで加湿したい場所を自由に選ぶことが可能です。
<目次>
1.工場用空調の性能や特徴
2.工場用空調を設置するメリット
3.工場用空調の種類別特徴と費用
4.工場用空調の選び方
5.工場用空調で発生する課題と改善方法
6.まとめ
1.工場用空調の性能や特徴
工場用空調は、一般的な業務用空調にはない性能や特徴があります。たとえば以下のような工場の使用を前提とした機能です。
・広いスペースへ効率良くに風を送れる
・耐久性が高い
・工場の機械から発する熱にも耐えられる
・空気清浄機能
・モニタリング機能
・機器との連携機能
工場用空調の一般的な形状は床置き型ですが、設置場所によっては天井設置型の一般的な業務用空調が設置されることもあります。一般的な業務用空調よりは費用は高くなる傾向にありますが、その分工場という環境に適した高い性能が搭載されています。
2.工場用空調を設置するメリット
設置場所や費用面などで「業務用の空調は設置しているが、工場用空調を設置していない」といった方もいるかもしれません。工場用空調を設置することでいろいろなメリットが得られます。
(1)生産性の向上
工場用の空調を導入することで、従業員が快適に作業できる環境が整います。季節を問わず作業ができるため、業務の効率化や生産性の向上につながるでしょう。
(2)機器や製品の品質管理
工場用空調を導入することは、工場用の機械や取り扱い製品の面でもメリットが得られます。
たとえば空調によって適切な温湿度管理がされれば、機器の熱によるオーバーヒート等を防げるため、機器の耐久性や寿命にも良い影響があるでしょう。
工場内の温度や湿度によっては製品の性質変化や変形が起きてしまうことがあります。工場用空調によって適切な温度、湿度に保たれることで製品の性質変化や変形を防ぎ、品質管理上でもメリットが得られます。
(3)従業員の健康管理
空調が導入されていない、または空調はあるとはいえ十分な性能が発揮できないと高温状態となります。工場で高温下となると、熱中症などのリスクが発生します。また適切な加湿も室温を下げる効果があります。昨今の猛暑を考えても、従業員の健康管理上でも工場用空調の導入は必須と言えるでしょう。
3.工場用空調の種類別特徴と費用
工場用空調は、温湿度管理の範囲によって以下の4つの方式に分けられます。
・スポット空調方式
・部分空調方式
・ゾーン空調方式
・全体空調方式
さらに、空調の設置方法や設置場所によって以下の工場空調があります。
・天井埋込カセット型
・天井埋込ダクト型
・床置型
・大型冷風機
それぞれの空調方式の特徴や費用の傾向を解説します。
(1)スポット空調方式
スポット空調方式とは、特定の場所や機器に対してピンポイントで直接送風・加湿し、温度・湿度を管理する空調方式です。
【メリット】
・移動が簡単にできる
・好きな場所に設置できる
・吹き出し口を調整できるものもある
・局所的な冷暖房のため、全体空調よりも省エネ
・工場用空調の中でも安価
・工事不要で設置できる
高熱を発する機器、加湿が必要な作業場所の近くに置きたい、作業場所が狭所(ベルトコンベアのライン内など)などのニーズにも対応できるのが特徴です。スポット空調方式は全体的な温度や湿度調整は苦手ですが、必要な場所だけ局所的に温湿度管理をしたいときに有効と言えます。
費用や設置負担の点からも工場用空調の中でも導入しやすいと言えるでしょう。
(2)部分空調方式
部分空調方式とは、工場内の特定の区域、部門、部屋ごとに独立した空調システムを設置する方式です。空調が独立しているため、区域、部門、部屋別に温度や湿度の設定や調節が可能となります。
【メリット】
・必要に応じて各空調の調整ができる
・全体空調よりも省エネが期待できる
食品製造工場や化学薬品工場など、取り扱う製品や生産ラインによって温度や湿度の用件が異なる場合に有効です。
(3)ゾーン空調方式
ゾーン空調方式とは、複数の区域をひとつの空調システムで制御する方式です。
【メリット】
・各ゾーンごとに温度や湿度設定ができる
・人がいない空間や生産設備のないエリアには給気しない
・上部の高温域から効率良く排気する
・エネルギー効率が良い
工場の全体に人がいる、温度調整管理が必要な生産設備が分散しているときなどに有効な空調方式です。
(4)全体空調方式
全体空調方式は、工場全体をひとつの空調システムで制御する方式です。
【メリット】
・工場全体で均一な温度と湿度環境を提供できる
・工場用の空調方式の中ではもっとも大規模、広範囲の温度や湿度を制御できる
高性能の分価格は高い傾向にありますが、自動車工場、製品倉庫など広範囲での温度、湿度環境が求められる時に向いています。
(5)天井埋込カセット型
天井に埋め込んで設置する空調です。おもに吹き出し口が4つある4方向タイプ、吹き出し口が2つある2方向タイプ、吹き出し口が1つだけの1方向タイプの3種類があります。
【メリット】
・天井に埋め込むため設置しても室内の景観を圧迫しない
ただし粉塵やほこり、カビ、虫などがエアコン内部に蓄積しやすく、粉塵やほこりなどが吹き出し口に詰まりやすいので、粉塵が舞う現場には不向きです。またメンテナンスがやや大変、天井の照明機器の設置場所に干渉する、設置費用は高額といった点にも注意が必要です。
(6)天井埋込ダクト型
空調の室内機は埋め込み、吹き出し口のみ露出して設置されるタイプです。
【メリット】
・吹き出し口のみが露出するため、空調のデザインが室内の雰囲気に影響しにくい
・吹き出し口の向きや位置を調整して配置できるため、風を多く送りたい場所(熱を持つ機器がある、従業員が多くいるなど)へ設置できる
・ひとつの室内機に対して吹き出し口を複数設置できるため、部屋や区域が分割されているときでもそれぞれの部屋に設置できる
ただし室内機本体が天井に隠れるため、メンテナンスが大変です。天井裏に配管が多いなど工場のレイアウトによっては設置できない場合もあります。さらに吹き出し口に粉塵やほこりが蓄積しやすいためフィルターの清掃が必要、天井に穴を開けて設置するため費用が高額となる傾向にあります。
清掃費用などのランニングコストが高くなる傾向にあるため、効率性や生産性を重視する場合は適さないでしょう。
(7)床置き型
床に直接置いて設置する空調です。天井が高く温湿度管理が行き届きにくい、または天井への空調の設置が難しい場合に選択肢となります。
【メリット】
・足元から送風・加湿されるため、足元から温めやすく暖房の効率を上げやすい
・工事不要で設置できる
・費用は安め
・メンテナンスがしやすい
粉塵やほこりが発生しやすい環境でも設置できる一方、床や壁など設置するスペースを取るため、スペースの確保が必要です。
(8)大型扇風機
水が蒸発する際に周囲から奪う熱である「気化熱」の仕組みを利用して冷風を発生させるます。
【メリット】
・結露が発生しない
・室温が高く湿度が低い環境下で効率的に冷却できる
・節電効果が高い
・キャスター付きのものなら移動もさせやすい
・工事不要で設置できる
ただし逆に湿度が高い、狭い場所では冷却効果は出ない、気化熱を発生させるために給水する必要があるといった点に注意が必要です。
4.工場用空調の選び方
工場用空調には空調方式や設置方法がさまざまあり、性能や費用も異なります。自社の工場に最適な工場用空調を選ぶためのポイントを解説します。
(1)設置場所
工場用空調によって設置方法が異なります。室内のスペースの広さ、天井の高さ、工事の有無など設置する場所に合うものを選びましょう。複数台設置する場合はその分も考える必要があります。
設置する場所の物理的な条件だけでなく、以下のような設置環境への配慮も必要です。
・ほこりや粉塵が舞いやすい場所ならフィルター交換やメンテナンスが簡単なもの
・吹き出し口にほこりや粉塵が詰まりにくいもの
・熱がこもりやすい場所なら熱中症防止のために湿度管理ができるもの
(2)空調を管理する範囲
工場用空調によって、管理できる範囲が異なります。局所的または部屋ごと、部署ごとなど冷暖房や加湿をする範囲を限定したいとき、なるべく広範囲に提供したいときなど、範囲に合うものを選びましょう。
冷暖房や加湿器を独立して設置することで、各設置場所で温度や湿度の制御が必要なことも踏まえてきましょう。提供範囲が広い場合、馬力があるものを選ばないと効果が得られないことがあります。
(3)取扱い製品
取り扱う製品に合わせた工場用空調を選びましょう。
たとえば食品など温度や湿度に影響を受ける製品を取り扱うなら、温度・湿度を制御し徹底管理できるもの、精密機器なら、粉塵やほこりが空調内部に蓄積しない空調を選ぶことが重要です。また、印刷工場なら静電気対策についても考える必要があるでしょう。
(4)費用
工場用空調は空調設備本体の購入費用や取り付け工事費用をはじめとした初期費用(イニシャルコスト)と、月々の電気代やメンテナンス、清掃費用などの工場用空調を使用するにあたって発生するランニングコストのふたつの費用が発生します。さらに接続するホースや配線、元々の空調の廃棄費用など予想外の費用が発生する場合もあるので注意が必要です。
初期費用ばかりに気に取られがちですが、ランニングコストも踏まえておきましょう。省エネではない製品を導入してしまうと電気代が高額になったり冷暖房効率、加湿効率が悪いといった問題が発生することがあります。
工場用空調選びに悩むなら、費用対効果も踏まえてまずはプロに相談すると良いでしょう。
5.工場用空調で発生する課題の改善方法
工場用空調を設置する前後で、さまざまな課題が発生することがあります。工場用空調で発生する課題と改善方法を解説します。
(1)購入や買い替え予算が不足している→補助金を活用する
工場用空調の費用が足りない場合は、補助金制度を活用する方法があります。
資源エネルギー庁が2024年1月に「令和5年度補正予算における省エネ支援策パッケージ」で、工場やビルの空調設備や業務用給湯器などを、省エネ型設備へと更新することを支援する「省エネ補助金」について支援の予算規模の拡充と、脱炭素につながる電化・燃料転換を促進する類型の新設を発表しました。たとえば高効率空調への更新をおこなうと1/3を補助(補助上限額1億)が受けられます。
公募は2024年3月ごろから開始予定です。ただし補助金は実際に工場用空調を購入後に申請するため、購入用の資金の準備は必要である点に注意しましょう。
スムーズな製品選定や申請ができるように、工場用空調の見積依頼を今からしておくと良いでしょう。
(2)冷暖房効率が悪い→効率を上げるため加湿設備を設置するなどの工夫をする
空調の冷暖房効率が悪いと、適切な温度や湿度管理ができない、電気代が高くなるなどの問題が発生します。
以下のような方法で冷暖房効率を上げてみましょう。
・加湿による気化熱を利用して気温を下げる
・ビニールカーテンで空間を仕切って冷気を部分的に集める
・断熱フィルムや断熱塗装を取り入れて外からの熱を遮断する
・熱の発生源に吸排気フードを取り付けて熱や湿気を逃す
【参考動画】工場の静電気対策 基板実装工程の加湿事例|エアコンの省エネや浮遊ごみ対策にも
基板実装工程において加湿を開始すると、気化熱によって室温が2~3度低下し、冷房を抑え省エネにも繋げられる実例を紹介しています。他にも浮遊ゴミ対策になることなど、加湿による生産性や品質の維持向上だけでなくさまざまな効果が得られることがわかります。
(3)湿度管理ができない→効率を上げるための設備を設置するか、空調を見直す
適切な湿度管理ができていないと、結露が発生する、または乾燥による静電気が発生しやすくなります。結露が発生する場合には、先ほど紹介した換気効率を良くする方法がおすすめです。
空調による乾燥が起きる場合、加湿器の使い方によっては逆に結露が発生したり製品に影響が出たりすることがあるため、精密な湿度管理が可能な産業空調加湿システムの導入がおすすめです。
株式会社いけうちの産業空調加湿システム「AirAKI(エアラキ)」は、ものに触れても濡れない霧(ドライフォグ)を活用して大空間またはスポット空間の精密な湿度管理を行う加湿システムです。製品へ湿気として干渉せずに加湿が可能となるため、工場の製造環境を最適に保ったままの加湿を実現します。空調による乾燥や静電気防止に効果的です。
6.まとめ
工場用空調の特徴や種類、導入するメリット、改善する方法を解説しました。
工場用空調は業務用空調にはない性能や特徴を持ち、導入することで工場での作業環境の最適化や製品や機器の品質維持といったメリットが得られます。工場用空調を取り入れても改善しない場合や、結露や乾燥といった別の課題が発生してる場合は、工場の環境に空調が適していない可能性が高いです。プロへの相談もぜひ検討してみてください。
工場等への業務用加湿器の導入についてご検討中であれば、株式会社いけうちにご相談ください。
空調加湿の専門技術者が現地調査を行い、それぞれの課題や現場環境に応じた多角的な加湿器選定やレイアウト設計を提供しています。
ドライフォグ加湿システムAIrAKI(エアラキ)は、業務用2流体加湿器AKIMist-E(アキミスト)を用いて、ものに触れても濡れない霧(ドライフォグ)を省エネルギーで噴霧することができます。
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また、AE-Tセットは配管工事不要でドライフォグを導入することができ、コンプレッサーエアーを供給するだけで加湿したい場所を自由に選ぶことが可能です。