[事例]下水処理場 雨水貯留池|長方形噴霧ノズルで個数削減と壁面洗浄の自動化を実現
[事例]下水処理場|目詰まり知らずのスプレーノズルと特注アダプターで消臭剤噴霧|安定運転を実現


この事例で使われている
ソリューション・製品
導入の決め手
- 目詰まりに強く、耐薬品性にも優れたプラスチック製ノズルを標準ラインアップしていること。
- ニーズに応える特注対応として、専用の樹脂製アダプターを設計・製作できたこと。

お客様の課題
ある日、水処理施設を運転管理する会社様より、当社にご相談をいただきました。
同社では、下水処理場の原水槽や流量調整槽、曝気槽などで、悪臭防止のためにスプレーノズルを使用して消臭剤を噴霧していました。しかし、ノズルが消臭剤によって目詰まりを起こしやすく、運転管理に支障をきたしており、目詰まりしにくいノズルや有効な対策を検討したいとのことでした。
いけうちからのご提案
早速、既設の他社製ノズルの仕様を確認したところ、円形噴霧タイプで、配管取付サイズは1/2インチ、噴霧量は16L/min、そして異物通過径※は3.5mmであることが判明しました。
※異物通過径:ノズル内部の液流路で最も狭い部分の寸法であり、異物が通過できる最大サイズです。
当社では、目詰まり対策として有効な「AJP-PPSシリーズ」を標準ラインアップしています。
このノズルは、水平方向から流入した液がノズル内壁面に衝突した後、真下に噴射されるL型構造を採用しており、内部に微粒化用部品を持たないため、大きな異物通過径を確保できるのが特長です。
さらに、PPS樹脂製で耐薬品性にも優れており、今回の用途に最適と判断してご提案しました。
同じ噴霧量を持つ型番の異物通過径は4.8mmと、既設ノズルより広く、目詰まり対策として十分な性能を備えています。
しかし、この型番の取付サイズは3/8インチで、既設ノズルの1/2インチサイズとは互換性がなく、さらに既設ノズルは液流入口と噴霧方向がともに垂直な構造であったため、そのままでは既存配管に取り付けできないという新たな課題が発生しました。
そこで、縦配管とAJP-PPS(L型ノズル)を接続するPPS専用の樹脂製アダプターを設計。
アダプターの流入口は1/2インチ、ノズルへの供給口は3/8インチとし、ノズルをあらかじめ組み付けた状態で納入することで、現場でのスムーズな取り付けを実現しました。
導入効果
納入から1年以上が経過しましたが、目詰まりによるトラブルは発生していません。
当社のノズルは、今日も下水処理場の安定稼働を支え続けています。