[簡易事例]食品工場用スプレーノズル|用途事例10選①
[簡易事例]食品工場用スプレーノズル|用途事例10選③
目次
- 食品工場用スプレーノズル|どの工程でどう使えばいいの?
- 冷凍食品製造|餃子の皮の調湿
- チーズ熟成庫|熟成庫内の加湿
- 清涼飲料水製造|ビン搬送コンベアへの潤滑液噴霧
- ペットボトル製造|ペットボトル搬送工程での加湿
- まとめ|食品工場用スプレーノズル|用途事例10選③
この事例で使われている
ソリューション・製品
1. 食品工場用スプレーノズル|どの工程でどう使えばいいの?
食品製造工程の自動化やコストダウン、生産性や品質の向上を実現できるスプレーノズル、洗浄や塗布、調湿、除菌、加湿、エアーブローなど、その用途事例を10例厳選しシリーズでご紹介しています。
前々回はパン工場での事例3件を取り上げ、前回は洋菓子製造工場での事例3件を紹介しました。
最終回となる今回は冷凍食品、チーズ、清涼飲料水、ペットボトル製造工場での調湿・加湿・噴霧用途4例について解説します。
2. 冷凍食品製造|餃子の皮の調湿
お困りごと
ある冷凍食品製造工場では、餃子の皮が乾燥し、蒸している最中に食感が悪くなってしまう問題で困っておられました。
餃子が蒸し工程に入る前に、皮を濡らさず適量の水分を与えて良い食感を保ちたい、この課題を解決できる方法はないか、とご相談をいただきました。
ご提案
まず皮をちょうどよい具合に湿らせることができる水量を確認し、その定量をスプレーできる2流体ノズルを選定しました。そしてノズル複数個をラインの幅にあわせたヘッダーに取り付けし、噴霧量を簡単に制御できるコントロールボックスと組み合わせたスプレーユニットを提案しました。
成果
水を細かい霧にして吹きつけることができるノズル、これで皮を濡らすことなく、流れてくるコンベア上の餃子全部をムラなく自動で調湿できるようになりました。コントロールボックスが付いているので噴霧量の微妙な調整も可能です。今日も安定した品質の冷凍餃子が作られています。
本製品に使用したノズル
2流体扇形ノズル(少量噴霧用)|BIMV
3. チーズ熟成庫|熟成庫内の加湿
お困りごと
あるチーズ工場では、チーズの熟成庫内を室温15℃、湿度85%に保つ方法を検討されていました。空調機内での蒸気加湿を考えておられたのですが、次のような問題があり導入を躊躇されていました。
吹き出し口で蒸気が結露し水滴が垂れて床を濡らす。
蒸気によって庫内温度が上昇するため冷房を強めなければならず、電気代がかさむ。
冷房を強めることで空気が乾燥し、さらに加湿が必要となる悪循環。
ご提案
当社はドライフォグ加湿器AKIMIstⓇ”E”を使った加湿システムを提案。食品貯蔵庫などの加湿用途に幅広く利用されており、低温倉庫内用としても大変ご好評をいただいています。
平均10ミクロン以下の超微細な水粒子からなる「ドライフォグ」は、製品や設備に触れてもこれらを濡らすことはないため、水滴が垂れる心配はありません。噴霧後瞬時に蒸発し庫内全体に行き渡るため、ムラのない加湿を可能にします。噴霧オンオフ制御による自動運転も可能です。純水器を併用し純水を噴霧するため、衛生面での心配もありません。
※上記フロー図は産業空調加湿システムカタログで詳細ご確認いただけます。
成果
庫内は広いのですが、昼夜を通して安定した低温・高湿環境を維持することができるようになりました。今日もおいしいチーズの熟成に貢献しています。また水の蒸発が室温を下げ冷房負荷を減らすため、電気代の削減にもつながっています。
本製品に使用したノズル
ドライフォグ加湿器|AKIMist®“E”
4. 清涼飲料水製造|ビン搬送コンベアへの潤滑液噴霧
お困りごと
ある清涼飲料水製造工場では、ノズルを使ってコンベア上に潤滑剤を噴霧する工程で問題を抱えておられました。潤滑剤を噴霧する目的は、ビン製品が次々とスムーズにコンベアに乗っていくよう、あらかじめコンベア表面を滑りやすくしておくことにあります。
しかし潤滑剤の消費量を抑えるため圧力を下げて噴霧していたので、潤滑剤は十分に広がっていませんでした。ビンがコンベア上でつっかえてしまい、やむなくラインを停止させねばならないこともありました。
ご提案
弊社には低圧でも噴霧量が少なく潤滑剤を節約できるノズルがありました。さっそく1流体ノズルのうち最も細かな霧を発生させ、かつ噴霧量もわずかなKBシリーズをご紹介しました。
成果
現在使用中のノズルに比べ散布量が格段に下がりました。また0.2 MPaの低圧でも液は60°の角度で広がって噴射されるため、より広い範囲に塗布できるようになりました。結果、月1トンだった潤滑剤使用量がなんと半分になりました。
本製品に使用したノズル
1流体空円錐ノズル(極少量噴霧用)|KB80063N
5. ペットボトル製造|ペットボトル搬送工程での加湿
お困りごと
あるペットボトル製造工場では、出荷作業場での静電気トラブルで困っておられました。
コンベア上を流れるペットボトルを整列させ、そのまま押してパレットへ移すのですが、乾燥した日は静電気でボトル同士がくっつきあいバタバタと倒れてしまうのです。その都度作業を止めパレット上に1本ずつ移し変えねばなりません。
湿度を上げることで静電気の発生を抑えたい、しかし製品に水滴がついては困る、何とかならないだろうかとのご相談をいただきました。.
ご提案
そこでドライフォグ加湿器AKIMIstⓇ”E”を使ったポータブルユニットを提案しました。
AKIMIstⓇ”E”は平均10ミクロン以下の非常に微細な水粒子からなる「ドライフォグ」を噴霧します。ドライフォグは製品や設備の周囲で使用しても水滴を付着させてしまうといったことがほぼないため、ボトルに水滴を付けることなくトラブル発生箇所周辺の湿度を上げることができます。またポータブル製品なので比較的取り回しがしやすく、持ち運びや、設置場所を変えるといったこともできます。そのため既存設備に後付で設置し、湿度が必要な場所や時期に使用するという使い方が可能です。
成果
加湿することで静電気は発生しなくなり、ボトルが倒れることはなくなりました。パレットに並べ直す手間がなくなり、生産効率が下がることはもうありません。また現場で発生していたホコリも抑えられたうえに、霧が蒸発する際の気化熱で作業場の温度も下がり快適になりました。一石三鳥だとの喜びの声をいただきました。
本製品に使用したノズル
AKIMist®”E” ポータブルセット|AET
6. まとめ|食品工場用スプレーノズル|用途事例10選③
洗浄や塗布、調湿、除菌、加湿にエアーブローなど、食品製造工場で使用されるスプレーノズルの用途は多岐にわたります。適切なノズルを適切な工程でご使用いただき、工程の自動化やコストダウン、生産性や品質の向上を実現していただきたい、そんな思いで弊社の実績から事例を厳選し「スプレーノズル用途事例10選」としてご紹介してきました。何かのヒントになりましたら幸いです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。