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[インタビュー]株式会社櫻井牧場(酪農)|道東の酷暑対策にミスト冷房を導入、廃用牛ゼロと乳量の大幅増を達成

ユーザー紹介

北海道標津郡中標津町にある櫻井牧場様は、中標津町農協管轄で祖父の代から酪農を営まれています。現在では搾乳牛約275頭、乾乳牛約41頭、育成子牛ほか約253頭を飼養されており、アニマルウェルフェアや環境に配慮した先端の酪農経営を行っています。

インタビュー:株式会社櫻井牧場 代表取締役 櫻井 規生 様

この事例で使われている
ソリューション・製品

写真:櫻井牧場様現場の様子

テレビ『ガイアの夜明け』でいけうちのミストを知りこれだと直感。
連日の猛暑対策として導入しましたが、これが本当に正解でした。

酷暑による異常な乳量低下と疾病対応

2023年の夏は連日酷暑が続き、今まで経験したことない気候でした。暑さが原因で乳量は異常に低下しましたし、疾病対応も多く本当に大変でした。当時少しでも冷やそうと、洗車用ノズルで地面や換気扇回りを濡らしたりしましたがあまり効果がなく、危機感持って対策を検討する中いけうちに辿り着きました。

実は過去に『ガイアの夜明け』でいけうちが放送されていたのを見たことがあり、とても印象的だった記憶があります。そして今回本腰を入れて調べてみた所、うちと同じ道東地域の牛舎にもミストの導入実績があったので、すぐに問い合わせを入れた次第です。

日差しが入りとても明るく、風通しの良い牛舎。どの牛も毛艶が良く、大切に飼養されている ▲

冷涼な中標津でも近年熱中症になる牛が増えており、暑さ対策が喫緊の課題となっている ▲

熱中症になる牛が例年10頭→導入後0頭

そしてミストを導入した所、想定以上の効果が出ました。

例年は夏場熱中症と診断される牛が10頭ほど出るのですが、導入後は1頭も出ませんでした。乳量も特に落ち込むことがなく、大幅増加(前年2,890t→3,600t※北海道の生乳生産抑制切替の影響を含む)しています。人工授精や移植の中断も減少し、繁殖スケジュールも安定しました。フリーストール牛舎全4棟に導入しましたが、1年使った感想としては非常に効果があり、約2年でコスト回収できます。

また、哺育牛でも効果が出ていて、昨年は2~3頭熱中症で点滴治療していたところ今夏は1頭も出ず助かりました。牛舎内が涼しくなるので従業員の作業環境改善にも寄与してくれています。

暑さ対策・乾燥対策として、繊細な管理が求められる哺育牛舎でミストが歓迎されている ▲

BBPによる糞尿活用

余談ですがうちはBBP(BAUER Bedding Processor)を中標津町で最初に導入しました。水分量を調整し、好気性分解熱によってスラリー中に含まれている病原性微生物の不活性化処理をすることで、臭気問題を解消します。またクッション性が高く清浄な敷料を自家製造することもできています。

糞尿をリサイクル利用することで環境負荷の低い酪農ができていること、また通常であれば敷料を購入するコストがうちでは不要です。その分こういったミスト装置の導入にあてることができ、より良質な牛乳を生産することができるようになるなど、良いサイクルができていると思います。

環境に配慮した牧場経営ができるだけでなく、敷料価格高騰の影響を受けない点も強み▲

ミスト装置をより最適化していきたい

この数年で急激に暑くなったため、道東で十分に対策できている牧場は少ないです。うちもまだ道半ばですが、今回ミストを設置したことで近隣牧場から多くの方が見学に来られています。霧が細かく濡れないという所が素晴らしく、個人的にも、いけうちの『冷やし牛舎はじめました』という幟を貰って、設置するぐらい気に入っています。

牛体を濡らさずに空間を冷やす方式はエネルギー効率が良く、ミストと風を組み合わせることでより効果的に冷却できます。今後は今年得た知見をもとに、更なる最適化を目指したいと考えています。


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