[簡易事例]無触媒脱硝(SNCR)の課題解決|目詰まり解消ノズルで窒素酸化物を効率還元
この事例で使われている製品・ソリューション
- 尿素水噴霧用 目詰まり解消ノズル|SETOJet-Rシリーズ
導入の決め手
- 目詰まりに強く、微粒化性能にも優れた尿素水噴霧用ノズルを選定できたこと。
- 流量線図を使って粗大粒子が発生しないことを説明し、お客様に納得・ご安心をいただいたこと。
お客様の課題
ある炭素材料製造工場では、自社で手配したノズルを使用して、排ガス中に蒸気と尿素水を噴霧し、無触媒脱硝※を行っていました。
※無触媒脱硝(SNCR):窒素酸化物による大気汚染を防止するために、触媒を使わずに焼却炉内へ還元剤(尿素水またはアンモニアガス)を直接噴霧し、窒素酸化物(NOx)を窒素(N2)と水(H2O)に還元するプロセスです。
しかし、当時使用していたノズルでは噴霧粒子にバラつきが生じ、未蒸発の粗大粒子が焼却炉の内壁に付着して、耐火材であるレンガやモルタルを腐食させる問題を引き起こしていました。さらに、尿素析出によるノズルの目詰まりも発生しており、これらの課題を解決するために、当社へご相談いただきました。
いけうちからのご提案
- 外部混合型で目詰まりに強く、微粒化性能にも優れた「SETOJet-Rシリーズ」を選定し、尿素水噴霧に最適なノズルとして提案しました。
- ノズルの流量線図を用い、粗大粒子が発生しないことを説明し、以下の効果が得られる点をご納得いただきました:
1) 尿素水が炉内で完全に蒸発することで、炉内壁への付着や内壁材の腐食が軽減される。
2) 完全蒸発により、窒素酸化物の還元効率が最適化される。 - プラントメーカー向けの同用途で多数の実績があることを説明し、ご安心いただきました。
導入効果
まず、1炉でテストを実施した結果、レンガやモルタルの腐食が改善されました。また、ドレンの発生がなくなり、完全蒸発によって尿素を無駄なく活用できるようになった結果、尿素水の使用量が40%削減され、年間で100万円のコストメリットが得られることが確認されました。
その後、この成果を受けて他の炉でも採用が検討され、90度曲げタイプのノズルも新たにご採用いただきました。