[事例]ガスタービン吸気冷却システム(フォグ方式)|高温環境での出力低下を防ぎ、電力の安定供給を実現


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ソリューション・製品

ガスタービン吸気冷却システムとは?
ガスタービンは、外気を取り込んで燃料を燃焼させ、その力でタービンを回して発電します。
しかし夏場のような高温環境では空気が膨張して密度が下がり、吸い込める空気の質量が減少します。
空気の質量が減ると、燃焼に必要な燃料供給量も減り、それにともなって発電出力も低下します。
この出力低下を防ぐために有効なのが、ガスタービン吸気冷却という技術です。吸気を冷却して空気の密度を高めることで、ガスタービンが取り込む空気の量を増やし、出力低下を抑えます。
ガスタービン吸気冷却の方式
吸気を冷却する方法には、エバポレーティブクーラー、チラー、そしてフォグの3方式があります。
それぞれに特長と課題がありますが、スプレーノズル専業メーカーであるいけうちは、経済性に優れた
フォグ方式を採用しています。
いけうちのフォグ方式では、平均粒子径10~30μmの微細な霧「セミドライフォグ」を噴霧し、その気化熱によって吸気温度を下げます。
フォグ方式(水噴霧)の3つのタイプ
フォグ方式による吸気冷却システムには、次の3つのタイプがあります。
いけうちは、すべてのタイプに対応しており、お客様のご要望や設備仕様、現場の環境に応じて、最適な方式を選定し、システムを設計・ご提案します。
- 外噴き:吸気フィルターの外側で噴霧
- 内噴き:吸気ダクトの内部で噴霧
- ウェットコンプレッション:圧縮機内に噴き込み
- スプレー圧力を一定に保ったまま、噴霧量を1:10の範囲で調整可能。
冷却面全体にわたってムラのない均一な冷却を実現します。 - 噴霧量を変えても粒子径が大きく変わらないため、濡れの心配なく装置を運転できます。
- システムはPID制御により自動運転し、吸気温度や湿度の変化に応じて最適な噴霧量に調整。
水使用量の削減に貢献します。
(左)外噴き|(中央)内噴き|(右)ウエットコンプレッション
ガスタービン吸気冷却システムの構成
いけうちのガスタービン吸気冷却システムは、以下の4つの主要な要素で構成されています。
スプレーノズルヘッダー
![]() 「セミドライフォグ®」を噴霧し、その気化熱で吸気を冷却することで、空気密度と質量を増加させます。 |
高圧ポンプユニット
![]() セミドライフォグ噴霧に必要な高圧水をノズルに供給します。 |
温湿度センサー
![]() 吸気温度と湿度をリアルタイムで測定し、そのデータを制御パネルに送信します。 |
制御パネル
![]() 吸気温度や湿度の変化に応じて、噴霧量を最適に調整し、システムの自動運転を実現します。 |
いけうちの吸気冷却専用ノズル
いけうちは、吸気冷却に特化した専用ノズルを独自に開発し、自社システムに組み込んでいます。
その主な特長と利点は以下のとおりです。
冷却効果の実証結果
中東の高温環境において、いけうちの吸気冷却システムを導入した結果、吸気温度が15℃低下しました。
これにより、ガスタービンの出力が約10%向上し、平均77.3 %から同85.4 %へと増加しました。
導入実例
いけうちのガスタービン吸気冷却システムは、さまざまな地域で導入され、確かな効果を上げています。
以下に、代表的な導入事例をご紹介します。
真夏のピーク時でも出力の低下を抑え、発電効率の安定に寄与……
それが、いけうちのガスタービン吸気冷却システムです。
発電設備の安定運転を支え、季節を問わず電力の安定供給に貢献します。
まずはお気軽にご相談ください。