[事例]医薬品・健康食品原料工場|廃液調整槽の洗浄と排液促進を両立、悪臭と配管詰まりを防止
[事例]業務用食器洗浄機|エジェクターノズルで強力水流を発生、食器滞留をなくし省エネ・半自動化を実現


この事例で使われている製品・ソリューション
導入の決め手
- 水流を強めてシンク内での食器の滞留を防止できたこと。
- より少ない流量のポンプで使用可能なノズルであったこと。
お客様の課題
ある業務用食器洗浄機メーカーでは、社員食堂向けに納入する「かき上げ式食器洗浄機」の設計を進めていました。
かき上げ式食器洗浄機とは、浸漬シンクに投入された食器をシンク内で発生させたジェット水流でコンベアの乗り口へ押し流し、コンベアが本洗浄機の投入口まで運び上げる仕組みの洗浄機です。食器洗浄作業を半自動化できることが大きな特長です。
食器をシンク内で発生させたジェット水流でコンベアの乗り口へ押し流す
コンベアが食器を本洗浄機の投入口まで運び上げる
求められる要件は、十分な水流で食器を押し流してシンク内に滞留させないことでした。ところが、それを実現するには大流量のポンプが必要で、省エネの観点に加え装置がかさばるという問題があり、社員食堂の規模やレイアウトに合わせた設計を行う上で大きな障害となっていました。
水量を減らして水流圧力を高めたり、エアーを混ぜる方法も試されましたが、いずれも食器がコンベアの乗り口まで届かず、最終的には手で引き上げざるを得ませんでした。
こうした背景から、「スプレーノズルを利用して低流量でも強力な水流を作れないか」とのご相談が当社に寄せられました。
いけうちからのご提案
当社がご提案したのは、エジェクターとも呼ばれる液中噴射ノズル「EJX」でした。EJXは液中で周囲の液体を吸い込み、供給された流量を増幅して吐出する仕組みを持ち、液中での攪拌用途に広く用いられています。つまり、今の流量を維持したまま水流を強められる、今回の課題解決に最適なノズルです。
液中で周囲の液体を吸い込み、供給された流量を増幅して吐出
EJXを複数個、シンク内の複数箇所に取り付け、食器を押し流す方向へ向けて噴射すれば、狙った地点――すなわちコンベアの乗り口に食器を確実に寄せることができます。
導入効果
試作機にEJXを組み込み試運転した結果、食器はこれまでにないほど滑らかに流れました。ポンプ流量は従来の3分の1に抑えられ、省エネ化を実現。装置もコンパクトに収まり、設置現場に応じた柔軟なカスタム設計が可能となったことで、顧客満足度の高い製品が完成しました。
1号機の市場投入後はすでに複数件の受注を獲得し、新たな引き合いも続々と寄せられています。