[簡易事例]医薬品工場向け精製水貯蔵タンク|シャワーボールで上部鏡板の洗浄死角を解消
この事例で使われている
ソリューション・製品
導入の決め手
- 上向き噴射軌跡図を作成し、洗浄性能を可視化することでお客様に安心していただけたこと。
- 真球形シャワーボールを2個設置する必要がなくなり、導入コストの削減を実現できたこと。
お客様の課題
医薬品工場向けに精製水製造装置を納入している、あるメーカー様では、精製水貯蔵タンク用洗浄ノズルに関する課題を抱えておられました。
一般的なタンク洗浄には、ノズル部が2次元や3次元に回転し、タンク内面をくまなく洗浄できる回転ノズルが広く使用されています。しかし、医療用の純水や超純水を扱うタンクでは、可動部からコンタミが発生するリスクがあるため、回転ノズルは通常使用されることがありません。
そこで、他の選択肢として「シャワーボール」が採用されていました。これは、固定されたボール型ノズルの表面に設けられた複数の孔から、シャワー状に棒流を噴射して洗浄を行う仕組みです。しかし、この構造には上部への噴射に死角が生じ、洗浄が行き届かない部分が残るという弱点がありました。
そのため、2個のシャワーボールを取り付けて互いの死角を補う方法が取られていましたが、その結果、ノズル自体の費用や配管設計コストが増加し、さらに取り付けやメンテナンスにかかる工数も増えるという課題が解消されないままでした。
そこで、真上方向への噴射死角を狭くし、配管やフィルター、計器取り付け穴が位置しているタンク上部の鏡板内面を洗浄できる方法を求めて、いけうちにご相談をいただきました。
いけうちからのご提案
従来真球形のシャワーボールに代わり、上部方向への噴射死角を狭めることが可能な楕円形の形状を設計し、新たに金型を起こして製品化することを提案しました。
真球形のシャワーボールを楕円形に
配管組付け後の完成品
さらに、上向き噴射の軌跡図を作成して洗浄性能を可視化することで、お客様にご安心いただきました。
導入効果
(※ご要望に応じて、上部だけでなく、上下360°にわたって全面散水する設計にも対応可能です。)