[簡易事例]耐摩耗材質選定による劣悪な環境下でのノズルの長寿命化|メンテナンス・保守の軽減
耐摩耗材質選定による劣悪な環境下でのノズルの長寿命化
本記事では、耐摩耗性に優れた材質を用いたノズルへの切り替えにより、ノズルの長寿命化を実現した事例をご紹介します。
事例1
この事例で使われている製品・ソリューション
導入の決め手
- 耐摩耗性に優れた材質を用いたスプレーノズルへの切り替えにより、長寿命化を実現。
- 劣悪な環境下でも使用可能なノズルを選定。
- 使用開始から3ヶ月経過後も、外観・性能に大きな劣化が見られなかったことが確認されたこと。
お客様の課題
ある製鉄所の焼結工場では、ドラムミキサー内でスラリー液を噴霧するスプレーノズルの著しい摩耗に悩まされていました。
焼結鉱の材料である鉄鉱石、粉コークス、石灰は、焼結機に投入される前にドラムミキサーで混合され、焼結に適したサイズにまで造粒処理されます。その際、造粒性を高めるためにスラリー液をスプレーノズルで噴霧します。
しかし、スラリー液に含まれる粉状酸化鉄がノズルを摩耗させ、新品に交換してからわずか300時間(約1ヶ月)でノズルがボロボロに損傷し、正常に噴霧できなくなるという問題が発生していました。
その結果、ドラムミキサーの運転を毎月停止しノズルを交換せざるを得ず、メンテナンス・保守の負担が非常に大きくなっていました。そこで、劣悪な環境下でも長寿命を維持できるスプレーノズルを求め、当社にご相談いただきました。
いけうちからのご提案
従来使用されていたノズルはステンレス鋼SUS303製でした。そこで、同じ性能を維持しつつ、SUS303よりもはるかに耐摩耗性に優れたアルミナセラミック製(アルミナ純度92%)のノズル「AJP-AL92」への切り替えを提案しました。
導入効果
AJP-AL92への交換を早速実施し、使用開始から150時間後に中間検査を行ったところ、ノズルの外観・性能ともに劣化は見られませんでした。その後、3ヶ月後の最終検査でも外観・性能に大きな変化はなく、ノズル寿命が従来の3倍以上に延びたことが確認されました。これにより、メンテナンス・保守の負荷を大幅に軽減することに成功しました。
事例2
この事例で使われている製品・ソリューション
導入の決め手
- 耐摩耗性に優れた材質を用いたスプレーノズルを製作し、長寿命化を実現。
お客様の課題
ある鋳型成形装置メーカー様では、装置内部で砂が舞う環境下でスプレーノズルを使い、離型剤を噴霧する設計を採用していました。しかし、ノズルの損耗が大きな課題となっていました。砂がノズルチップに衝突し続けた結果、わずか半年でボロボロに損傷し、安定した離型剤の噴霧が困難な状況に陥っていたのです。
このままでは装置ユーザーが安定した操業を続けることができません。メーカー様は劣悪な環境下でも長寿命を維持できるスプレーノズルを求め、当社にご相談いただきました。
いけうちからのご提案
ご使用中のノズルの材質はステンレス鋼SUS303で、その硬度はHRB90(HRC硬度11に相当)でした。そこで、硬度HRC58を持つSUS440C(焼き入れ鋼)を材質として使用したノズルの製作を提案しました。
導入効果
SUS440C製ノズルに切り替えた結果、新品への交換後1年が経過しても、離型剤の噴霧に支障をきたすほどの損傷は見られませんでした。これにより、装置ユーザーが安定した操業を続けられる装置が完成しました。