[粉塵対策システム②]高流速フォグタイプ| 高流速の霧で粉塵舞い上がりと飛散を抑制


産業用スプレーノズルメーカー霧のいけうちは、ノズルが作り出すさまざまな霧を利用して、粉塵の飛散や舞い上がりを効果的に抑制できる粉塵対策システムを提案しています。
より個々の現場環境に見合ったシステムを設計しご提案できるよう、当社では主に、浮遊粉塵を沈降させ飛散を抑制する「ソフトフォグタイプ」と、発塵箇所からの粉塵舞い上がりを抑え込む「高流速フォグタイプ」の2種類のラインアップをご用意しています。
両タイプともインドネシア、タイ、ベトナム、韓国、米国、日本などの発電所や製鉄所に導入され、環境汚染防止と現場労働環境の改善に貢献しています。
前回はソフトフォグタイプを取り上げました。今回は高速フォグタイプのシステムを導入されたお客さまの事例をご紹介します。
製鉄所での粉塵舞い上がり問題|原料ヤード、コークス炉
製鉄所にはさまざまな発塵箇所があり、特に発塵が多いのが原料ヤード、コークス炉、出銑口周りです。これらの場所で発生した粉塵が空中を漂い構外へ飛散し、付近住民から苦情が寄せられるケース、従業員の健康を損ないかねない程に作業環境を悪化させるケースが後を絶ちません。
このうち屋外にある原料ヤードでは散水による飛散の抑制、コークス炉では設備更新による粉塵の低減といった対策が実施されてきました。
製鉄所屋内での粉塵舞い上がり問題|出銑口周り
しかし出銑口周りでは出銑時に一部粉塵が抑制できずにいたため、作業環境を悪化させる問題は残ったままでした。
発塵箇所は大きく出銑口周りと主樋周りの2か所です。 高炉の出銑口周りでは溶銑が空気と接触することによって粉塵が発生します。この粉塵は、出銑口の直後に設けられた開口部(出銑状況を観察するための覗き窓)の上部にある集塵フードで捕集することで対策されます。
流れ出た溶銑は主樋を通って次工程に運ばれます。その際、溶銑スプラッシュ飛散を防止するため主樋の上には長さ8m程度の主樋カバーが設置されており、主樋部からの発塵を密閉することができます。
このように通常はどちらの箇所も対策がされていますが、出銑前に出銑口を開孔するときは主樋カバーを移動させる必要があり、3~4分間、主樋はむき出しになります。その際、発塵が高温の上昇気流に乗って建屋内に舞い広がり、出銑口上部の集塵ダクトだけでは捕集しきれずに作業環境を悪化させていたのです。
霧で抑え込んで粉塵舞い上がりを抑制|高流速フォグタイプ
そこで当社が提案したのが、高流速の霧を大量に噴射して粉塵の舞い上がりを抑え込む粉塵対策システム(二つ目)です。ノズル複数本を出銑口の斜め上に取り付け、出銑口周りに向け噴霧することで、舞い上がりを抑え込みながら粉塵を鎮めます。
霧を高流速に噴霧することで熱による上昇気流に負けることなく、発塵箇所を包み込むことができます。またこの霧の粒子径は80μm程度とやや微細なため、付近の床や設備を濡らすことはありません。
大がかりな設備工事を行うことなく、お客さまには水とコンプレッサーエアーの供給手配のみ行っていただければすぐに導入することができます。
出銑口周りでの粉塵舞い上がり問題|対策効果
高流速の霧で出銑中に出る粉塵の舞い上がりを抑え込むことができ、作業環境を悪化させることはなくなりました。また別途複数のノズルを少し離れた箇所の高所に取り付け、粉塵の多い箇所に向けて噴霧するということも行いました。その結果空間に漏れ出た粉塵を集塵フード下に押しやることができ、集塵効率を高めることにも成功しました。
まとめ|霧のいけうちがご提案する粉塵対策システム|高流速タイプ
システムの特長
高流速・大量の霧を、発塵箇所を包み込むように噴射、高温の上昇気流に乗った粉塵の舞い上がりも効果的に抑制します。
適切なノズルを選定、周辺機器構成と設置レイアウトを設計して最適なシステムをご提案します。
やや微細な霧を使用するため、すぐに蒸発し現場を濡らすリスクはありません。