工場空調の省エネ化の必要性とは?加湿との関係、省エネの具体的方法
[レポート]工場の湿度管理と空調コスト削減/最適な加湿方式による省エネと作業環境の改善


工場の湿度管理と空調コスト削減
<最適な加湿方式による省エネと作業環境の改善>
株式会社いけうち
建築設備と配管工事5月号(出版年月日: 2025/5, 出版社:日本工業出版株式会社, 著者:江崎寛通)掲載
はじめに
近年では、生産性向上や品質向上のために、生産現場の環境づくりは当たり前になっている。生産現場の環境とは温度・湿度・気流・清浄度を人と物に最適なものにすることであり、空気調和そのものともいえる。さらに、地球環境に配慮し省エネルギーも実現していくことも重要になっている。ここでは当社/空調事業部が約40年もの間、生産現場での湿度環境改善を提案してきたと同時に省エネルギーにも貢献してきたことを紹介したいと思う(写真1、写真2)。
工場運営におけるエネルギー
工場を運営するには様々なコストが必要になってくる。材料の仕入れ、人件費、地代、生産機械など多くの項目がある中で工場の空調にかかるコストも全体の約35%と言われる。空調にかかるコストとしては送風ファン、冷却コイル、加熱コイルなど様々あるが、加湿にかかるコストはその中で30%を占めると言われている(第1図)。このことから工場全体のランニングコストに対して、加湿に要するエネルギーは約10%にもなると言える。