
[事例]換気量の多い試験用塗装ブースで「濡れない霧」が安定した試験環境を実現
この事例で使われている
ソリューション・製品
事前のデモ機利用と、システム構成の柔軟性が採用の決め手となりました。
導入前にいけうちのデモ機をご利用いただき、製品への影響確認や濡れ試験を実施していただいたことで、フィルムを濡らすことなく安全に加湿できる点をご評価いただけました。
また、納入後にお客様の現場側でも環境に合わせて噴霧量などの微調整がしやすい、2流体システムとしてご提案した点も高く評価されご決断いただきました。
空間中の水分量低下による品質不良が発生
PETフィルムの製造において、成膜ラインのワインダー(巻き取り機)周辺での湿度管理にお悩みでした。
冬場は空間中の水分量が低下しやすく、湿度不足によって「しわ」や「ピンホール」等のトラブルが生じていました。
お客様はこれまでの社内データから、絶対湿度が0.010〜0.011 kg/kg’ 程度ないと不良が発生しやすくなると把握されており、それ以上の湿度環境を求められていました。
対策として、市販の加湿器を複数台設置して運用されていましたが、目標とする絶対湿度の狙い値にまで上がり切らず、解決には至っていませんでした。
1. 限られたスペースでの効率的なレイアウトと確実な調湿
加湿器の設置スペースがあまり取れない現場環境であったため、コンパクトで高い加湿能力を発揮す2流体加湿システム『AirAKI』をご提案しました。
ブースの中および、ブース外にある外気の取り込み口近く、FFU(ファンフィルターユニット)手前近くに設置する構成としました。
FFU付近に設置することで、取り込まれる清浄な気流に乗せて霧を拡散させることができ、空間全体を効率よく均一に加湿することが可能になります。
2. 製品を濡らさないドライフォグのメカニズムと精密な制御
AirAKIはコンプレッサーエアーと水を混合し、対象物を濡らさない微細な霧(ドライフォグ)を噴霧する2流体システムです。
いけうちが定義するドライフォグは、平均粒子径が10μm以下という極めて微細な霧です。水滴が非常に小さく軽量なため、表面に付着・結露する前に空気中へ素早く気化(蒸発)します。これにより、水を嫌う工程でもフィルムに水滴が付着するリスクがなく、安全に空間を加湿できます。
3. 一括管理できる制御盤
温湿度をいけうちの制御盤上で表示するだけでなく、「現場に行かずに制御室などから温湿度の数値を監視・管理できるようにしたい」というご要望をお客様よりいただきました。
そのため、信号の外部出力など拡張性があり、お客様の希望に対応しやすい「Tタイプ制御盤」を組み合わせてご提案しました。

目標絶対湿度の達成: AirAKIによる試運転段階では、目標とする絶対湿度への到達と維持に成功しました。相対湿度についても確実なベースアップを実現しました。
品質不良の明確な低下: 冬場の空間の水分量不足を解消できたことで、「しわ」や「ピンホール」といった欠点(不良)の明確な低下を確認いただいております。
副次的効果の期待: 年間を通じて安定した湿度環境が構築できたことで、季節ごとの不良率のばらつきが解消され、検査工数や廃棄ロスの削減といった効果も期待されています。
本事例が貢献・関連するSDGs目標。