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大栗紙工株式会社さま

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無線とじノート生産40年以上。「買う身になって作りましょう」を合言葉に「使ってみて初めてその良さがわかる」そんなノートを作るべく、生産技術の向上に磨きをかけておられます。昨今では発達障害当事者の方々の声から生まれたノート「mahora(まほら)」が注目を集めています。

導入事例インタビュー
「もう「ドライフォグ加湿」が無い状態には戻りたくないというか、本当に手放せない感じになっています。」

この事例で使われている
ソリューション・製品

冬場に減少する生産性

(高光さま)私が生産性向上プロジェクトを主導し始めた当時、工場にはまだ業務用の加湿設備がなく、冬になると乾燥が原因とみられるさまざまな問題が発生していました。

特にミニサイズのノートを製造している2階の状況がひどく、紙が反る、紙と紙が張り付く、2枚送りになってしまい機械が詰まる、などで生産性の低下が顕著でした。

(大栗さま)湿度が安定する時期の生産性が10とするなら、1階のセミB5サイズのノートを製造している現場で4割、2階で6割くらいダウンでしたね。2階は特に乾燥しやすいのかもしれません。市販加湿器や除電ロープなども試してみましたが、状況は改善しませんでした。

(高光さま)ただ私は「生産性の低下は乾燥のせいだ」と決めつけて投資提案をしたくなかったんです。現場にヒアリングをすると「冬場は乾燥した紙がすれて静電気が出るから」と仰るのですが、投資判断の根拠となるほどの数値化はできていませんでした。

湿度と生産性に相関

(高光さま)そこで現場の環境データと生産性を計測し、統計をとってみることにしたんです。するとやはりというか、湿度と生産性低下に明らかな相関が見てとれました。湿度管理の重要性を示すエビデンス、生産性回復による投資回収期間の試算がそろったことで、正式に加湿設備の検討を開始しました。

印刷工場に実績豊富

(高光さま)弊社が加湿設備に求めた要件は、①ランニングコストが安価なこと ② 紙や機械への悪影響がないこと ③ 操作性が良く運用に手間がかからないこと この3つでした。蒸気式などさまざまな加湿方式を検討しましたが、最も要件にマッチするのがいけうちのドライフォグ加湿だったんです。

弊社と同じく紙を扱う印刷工場での実績が豊富で、水道直結の自動運転が可能。純水器のフィルターを年に1回交換するだけというメンテナンス性の良さも魅力でした。さらにメンテを一括で任せられる契約もある。検討の初期段階はとてもスムーズで、もうドライフォグ加湿に傾きつつあったんです。

反対意見が多かったが…

(高光さま)ところが現場の意見は水を直接噴霧するドライフォグ加湿には反対意見が多かった。曰く「製造現場で水噴射なんてとんでもない」「紙が濡れる」「機械が錆びる」と。

(大栗さま)現場は大きな変化を嫌うものですし、まして今まで体験したことがない水噴霧加湿。「生産性は上がっても、品質が落ちないか」。さまざまなリスクを懸念するのは当然で、高光には厳しい反発があったようですね。

(高光さま)畑違いの業界からきて3年目。現場を十分に知らない人間の提案を信頼できない心情も理解できました。なのでひとまずドライフォグ加湿器のデモ機を借り、現場の皆さんにリスクを検証していただこうと考えました。

デモ機検証で変化が

(高光さま)デモ機が来ると、紙を霧に近づけてみたり、紙詰まりが起こるラインで加湿をしたり、納得がいくまで使い回されていました。

結果 「こんなに大量の霧、絶対に紙が濡れると思った、でも濡れない」「これは良いぞ」と、評価が反転。濡れないだけではなく、紙詰まりが発生しなくなったりと、効果も実感できたようで、ようやく納得いただけました。

追加導入を検討?

(高光さま)さっそく社内に投資回収期間を説明し、冬に間に合うよう、まずは2階への導入を急ぐことになったんです。

(大栗さま)裏話になりますが、実はこの時、一緒に1階にも導入してしまおうかと悩んでいました。というのも、シュリンク包装機にノートを数冊まとめて送るための自動挿入機が1階にいくつかあるんですけど、そこに必要な人員が冬場は倍必要になるんですよ。

通常なら6人で品質チェックを行いながら回す工程。でも冬場はノートの反りを手で直し、それでも自動挿入できず手差しを強いられるため、倍の12人で回さないといけない。そこだけみれば生産性は5割減です。

(高光さま)そうでしたね。しかし私は「一旦様子を見ましょう」と言いました。1階は2階より広く、湿度が拡散してしまう懸念があり、加えて全体でみれば、2階ほど顕著に生産性が落ちてるわけではない。

加湿をすると生産性が回復するのはわかりますが、1階はペイするのにやや長期間かかりそうです。だから様子を見ましょうと。

ゴーサインと誤算?

(大栗さま)ただ1階も困っていることは知ってましたし、2階でしっかり効果が出ていたので「もう行こうか!」と。1階の導入は私からGOの一声を出してしまいましてね(笑)。

(高光さま)頼もしかったです(笑)。それで後を追うように1階にも導入、くだんの自動挿入機は冬場でも6人で回せるようになりました。それから1年が経ち、当時の私の考えが甘かったことが分かってきました。

普通、加湿というと秋や冬にするものですよね。ドライフォグ加湿の導入も、乾燥する時期の生産性回復だけを視野に入れたものでした。


ドライフォグ加湿システムAirAKI〈エアラキ〉稼働の様子(2階)

ところが現場からは「これ、年中使っていい?」と言われる。というのも冬場以外の、比較的湿度が安定している時期でも実は日によって湿度に波があり、頻度は低いながらも乾燥による軽微な不具合は年間を通して発生していたようなんです。

それが通年で、それこそ必要なら夏でも、ドライフォグ加湿を稼働させることで、本当に1年を通して湿度が安定するようになり、試算していた以上に効果が出てしまいました。再度試算をしてみると、もっと短い期間で投資額をペイできることが分かったんです。

また当初加湿の有効範囲ではないと思っていた、少し離れた場所の設備でも紙詰まりが低減しまして、加湿ひとつでこんなに影響がでるのかという感じで、本当に想定以上の効果でしたね。


ドライフォグ加湿システムAirAKI〈エアラキ〉稼働の様子(1階)

ドライフォグ加湿の導入を終えて

(高光さま)生産管理を担当して、初めて会社に投資をしてもらう仕事だったので、本当に失敗はしたくなかったです。

導入に際して色々苦労はありましたが、結果でしっかり成果が出せたので、現場の方からも信頼をいただけるようになりました。

「高光さんだったらきちんと調べて、いいものを紹介してくれる」皆さんにはそう思っていただけたのではないかと思っていて、この成功体験の後から仕事が本当にやりやすくなったのを感じています。

そういう意味では、現場の生産性だけでなく、私のその後の生産性まで上げてくれた加湿設備です(笑)。

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