[簡易事例]繊維工場のエリア冷房により高温下での織機停止を予防|生産量30%アップと品質改善
この事例で使われている
ソリューション・製品
導入の決め手
- 現場でのドライフォグ噴霧テストで、システム導入後の効果を事前に確認できた。
- 多額の費用をかけて空調設備を増強することなく、既存設備に後付けして改善できるシステムだった。
- 設置レイアウトの自由度が高く、優先度の高いエリアから順次分割導入できるシステムだった。
お客様の課題
インドネシアの綿織布工場では、昼間の暑い時間帯に綿織り工程の生産性が低下するという課題がありました。フロアを拡張し多数のエアジェット織機を追加導入したことで、既存の空調設備の能力が追いつかなくなっていたのです。
織布工程、特に綿糸を使用する場合は、品質と生産性を維持するために温湿度管理が欠かせません。そこで、工場ではやむなく、工程フロアの半分のみを空調でカバーするという対策をとっていました。しかし、空調の効いていないエリアでは室温が35℃にまで上昇し、織機のサーマルスイッチが反応して機械が停止するトラブルが頻発していました。
機械が停止するたびに、仕掛品の品質を確認し、横糸をリセットして再び運転を開始する必要があり、オペレーターに大きな負担がかかっていました。また、停止を恐れて織機を低速で運転していたため、生産性の低下も避けられませんでした。
空調設備の増強を検討しましたが、一式で30万ドルという費用がかかるため償却の見込みが立たず、別の対策を模索していました。サーマルスイッチの設定温度は32℃であり、なんとか室温をそれ以下に保つ必要があったのです。そんな中、近隣の紡績工場からの紹介で、いけうちにご相談いただくことになりました。
いけうちからのご提案
いけうちは、ドライフォグ加湿システム「AirAKI(エアラキ)」の設置を提案しました。微細なドライフォグの気化熱によって室温を下げ、かつ自動運転で適切な湿度を保つことができるシステムです。乾燥による糸切れを防ぎ、綿布の水分含有量を適正に保つことで品質維持にも貢献します。
加えてフロアをエリア分けし、ビニールカーテンで仕切ってドライフォグがフロア全体へ拡散しないようにする工夫も提案しました。これにより優先度の高いエリアから順に改善していくことが可能となりました。
導入効果
- 室温は4℃下がって31℃になり、織機の停止や生産停止がほぼなくなりました。
- 織機の運転速度を上げることができるようになり、生産量が30%アップしました。
- 湿度が安定し、糸切れなどのトラブルが発生しなくなりました。
- 空中を漂う綿ほこりが抑制されるようになりました。
- また何より、室温が4℃下がったことで従業員の作業環境が改善され、喜びの声が上がっています。