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明和海運|船舶に熱中症対策用のミスト冷房を導入、荷役作業などの乗組員労働環境を改善

企業情報


明和海運は1956年(昭和31)年に燃料油輸送企業として創業し、その後徐々に液化天然ガスおよびケミカル輸送へ移行していきました。
現在では内航タンカーのオペレーターとして、ケミカル船16隻、LPG 船2 隻の計18隻の船舶を運航、業界でトップシェアを持つ企業となっています。

顔写真:船舶部副部長 絹漉 倫玄 様

「涼霧システム®導入により、船員安全・労働環境取組(SSS*)大賞を受賞。
内航船内の安全と働き方改革においてまさに画期的な取組となった。」

*SSS…Awards for Safety and Smart Environment for Seafarers

新造船の暑さ対策を検討

2018年7月、新造船(2020年4月竣工)の熱中症対策についてベテランから若手まで交えて会議をしました。夏場の荷役作業が高負荷で課題だったため、日除けの設置や甲板散水をすることで改善できないか?という意見が出ます。
しかし日除けは設置撤収に時間がかかる、甲板散水は清水の保有量に限りがある、また海水を使用したケースだと蒸すだけで効果がないという意見もあり、検討は進みませんでした。

そんなとき、商店街や駅などでよく見かけるミストが話題に上ります。早速メーカー数社に連絡を取りましたが、過去に実例も無く難しいと言われます。諦めかけたとき、たまたま別件でご相談中だったイーグル工業㈱様から、霧のいけうちという企業があるとご紹介いただきました。

▲街中で見かけるミスト、過去に船舶へ導入した企業はなかった

前例がないからやる

いけうち様も当然ながら実績はありませんでしたが、前例がないことなら是非やらせてください、と非常に前向きにご回答いただけました

しかし当初はミスト(涼霧システム®)について疑問点がいくつかありました。濡れないか?使用水量は?使用水は夏場温水に近いが問題ないか?冷房システムの材質は塩害に強いか?ミスト噴霧時に漏水などがあった場合、高圧水が噴出しないか?その他いろいろです。
これらは詳しい製品説明と実演デモによりすべてクリアとなります。そして2019年6月にようやく本船での実地テストに至りました。柔らかく微細な霧に乗組員も驚き、また涼しさを体感した事で早期導入の声も上がったため、新造船に先立ち既存の明和丸に導入する事にしました。

▲実演デモは非常に良好、先行して既存船に導入することに

既存船、新造船へ次々導入

そして高圧ポンプ、ノズルヘッダーや配管系統などのレイアウト設計と継手部材詳細などの工事仕様を当社で検討、入渠造船所の向島造機㈱様に施工いただくことで導入完了しました。

昨年9~10月は残暑が厳しかったこともあり、明和丸乗組員の評判も上々だったので次いで明桜丸、新造船明翔丸(㈱栗之浦ドック建造)、明督丸に導入しました。今年9月には興和丸、10月に第二十一福神丸にも導入しています。

また涼霧システム®は高温になる機関室内などの船内にも応用できると考えています。実際に明翔丸の機関室に試験導入したところ3~5℃下がる事を確認しました。さらに熱中症対策以外にも、粉塵防止や静電気防止の観点でも活用出来るのではと思います。

▲既存船の第二十一福神丸、続々と涼霧システムが導入されている

乗組員の方たちの感想

  • ・あると無いとでは暑さの感じ方が全然違う
  • ・荷役中の体力の消耗度合もずいぶん違う
  • 周辺温度が明らかに低くなった、とても心地良い
  • ・荷役中は常に噴霧して使用している
  • ・見た事も聞いた事もなかったがとても良い冷房システムだ
  • ・風の弱い日には特に効果がある
  • ・陸上作業員の方からも良い設備だと言っていただいている

使用水量

例)上図システム構成の場合

熱中症対策関連製品 ミストファン COOLJetter®〈クールジェッター〉

冷房・加湿・粉塵対策用の省エネミストファン

涼霧システム®と同じ“セミドライフォグ®”を噴霧する送風ファン付きの冷房装置。冷気に指向性を持たせることで熱中症対策・高温対策により効果的な製品となっている。またそれ以外にも乾燥対策・粉塵対策・臭気対策など幅広い用途に活用が可能。

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