明和海運|船舶に熱中症対策用のミスト冷房を導入、荷役作業などの乗組員労働環境を改善
株式会社ガスワンホールディングス ガスワンパーク上尾さま|LPガス・プロパンガス充填所(防爆エリア)の熱中症対策
企業情報
今回涼霧システムを導入いただいたガスワンパーク上尾様は、国内最大級の内陸型LPガスセンターとして最新機器と集中管理システムを備え、LPガスの安定供給と徹底した安全管理を実現されています。
この事例で使われている
ソリューション・製品
ミスト冷房を導入して、「今」働いてくれている人を暑さから助けたかった」
きっかけは新聞記事を見て
現場の暑さのことはずっと気になっていて、何とかしなければという思いが常にありました。
そんな中、プロパン産業新聞に他社のガスセンターがリニューアルをしたという記事を見つけ、設備の一つとしてミスト冷房が紹介されていました。
二人で「これは面白いんじゃない?」と話をして、そこからはトントン拍子に進みました。
記事の中に懇意にしている設備業者さんの名前があったので、すぐに電話をして、霧のいけうちさんのことを紹介して頂いたんです。
とにかく早くやらなければという一心で、他社との比較は特にしていませんでしたが、電話の後すぐにデモ機を持ってきていただいたんです。
実はもともと二流体のノズルを一部の場所で使っていたのですが、コンプレッサーエアーを使う分、音がうるさかったり、使いづらい面がありました。
そんな既設のノズルと比べても、音はそこまで気になりませんでしたし、実際の涼しさや使い勝手などを事前にデモ機で確認することができたので、これなら大丈夫だと安心してお任せすることができました。
屋外で防爆エリア、暑さ対策に難儀
安全基準により、防爆エリアという関係上、扇風機やスポットクーラー、空調服ですら通常の電気機器は一切使えないんです。
冷房の効いた事務所のようには涼しくすることはできませんが、できるだけのことをしたかったので、今回ミスト冷房を導入できたことは幸いでした。
異常な暑さの中での充填作業
昨年充填所の工事があり、私たちもよく現場に足を運んだのですが、立っているだけで倒れそうなぐらい暑いんです。
そんな中で、安全対策のために真夏でも長袖を着なければならず、シャツはズボンに入れて皮手袋をしないといけない。
真夏にこの格好をしているだけで既に過酷な環境です。
加えて、充填所の作業はとにかく暑いし重い。ガスの充填は自動ですが、空の容器をコンベアーにセットする、充填が終わったものをコンベアーから下ろして並べるという作業は人がやらないといけません。
満タン時に90キロ弱もある容器を傾けながら転がして並べていく作業を1日に大体2000本ぐらい作業員が人の手でやっています。
やっぱり健康被害に繋がってしまう可能性がありましたので、充填所の暑さ対策は急務でした。
▲90キロ弱ある容器を傾けながら転がして運ぶ様子
ミスト冷房は体感温度が全然違いました
これまでは表立って熱中症や健康被害というのはありませんでしたが、バテてしまって休憩するという光景はよくありました。
導入後は「バテて倒れそうだ」という会話や「暑いから何とかしてくれ」という声は聞こえなくなりました。私たちも導入後に現場に入ってみたのですが、体感温度は全然違いましたね。実際に温度計を見てみると導入前と比べ3~4度は下がっていました。
「高圧ガス保安法」の容器の保管温度を40℃以下に保つことにも役立っています
導入による影響は人に対してだけではありませんでした。
「高圧ガス保安法」により、容器の保管温度は40度以下に保つように定められているので、真夏なんかは40度以上になると、水道水をかけたりしていたんです。
今は、ちょうどミストが噴いているところに充填容器があるので、保管温度を保つことにも少なからず役立っていると思います。
▲場内の温度が下がり、充填容器の保管温度にも影響が
ミスト冷房・扇風機・空調服、やれることはとにかく全部やりました
今回のミスト冷房導入のタイミングにあわせて、少しでも快適にするために、やれることはとにかく全部やりました。
まず、ミストをより拡散するためにも入れた方が良いんじゃないかということで、防爆仕様の扇風機を導入しました。
そして、これまで充填所では電気を使用する普通の空調服は使えなかったのですが、新しく防爆エリア対応の空調服が発売されたことをきっかけに、作業員全員に空調服を支給することもできました。
ミストを噴いて、防爆仕様の扇風機もつけて、空調服も着て、今できることはこれ以上ないぐらいの環境が整ったと思います。
▲防爆仕様の扇風機と組み合わせてより多くミストが作業者に届くように
まずは「今」働いている人を助けたい
労働環境の改善は、人材の確保や定着率などの狙いももちろんあるのですが、それよりもまず「今」働いている人を何とかしないといけなかった。
近年の異常な暑さに対して、まずはとにかく目の前で溺れている人を助けたい、というのが一番の思いでした。
工場のみんなは我慢強いし真面目なので、そんな過酷な環境でもこれまで働いてくれていましたが、今後世代が入れ変わっていけばそういう人たちばかりではなくなるでしょう。
このままこの暑さが続いたら充填所で働く人はいなくなっちゃんじゃないかという不安がありました。年々暑くなってきていますが、「今のこの暑さは異常ではなく、もはやこれが普通なんだ」として考えなければいけませんね。
私たちガスワンパーク上尾は、設備を最良の状態に保つことが使命であり、グループの中でも必要な改善に対して比較的お金を使いやすいセクションではありました。
ですが、ガス充填所は、どこも似た様な状況です。過酷な環境で働いている人たちのためにも、今回のミスト冷房のような暑さ対策が業界全体に拡がると良いなと思います。
▲タンクローリーの受入・払出をするローリー棟にも涼霧システムを設置
導入データ(概要) | |||||
---|---|---|---|---|---|
現場面積 | 約1,930㎡ | ||||
納入製品 | ポンプユニット | 1台 | |||
涼霧ヘッダ 4m (ノズル8個付) | 47本 | ||||
涼霧ヘッダ 2m (ノズル4個付) | 6本 | ||||
継手・耐圧ホース 等 | |||||
総噴霧量 | 960L/h | ||||
水道費用 (従量料金) |
約960円/日 ※温湿度制御による噴霧ON/OFFを実施、1日に計5時間噴霧したと仮定。※基本料金は除き、従量料金を1m3あたり200円として試算。 (ガスワンパーク上尾様では手動による噴霧ON/OFFを実施しています) |
大空間ミスト冷房システム 涼霧(りょうむ)システム®
水噴霧により広範囲の暑熱対策・乾燥対策を行うことが可能な屋外冷房システム。
霧の気化熱により周囲の温度を低下させるため、排熱を出さず、とても少ないエネルギーで稼働します。
涼霧システムが使う霧は、平均粒子径10~30μmのセミドライフォグと呼ばれる、非常に微細な霧です。
ものに触れても即座に気化するため濡れにくく、快適な涼感だけを得られます。