[インタビュー]JA全農ぐんま(キュウリ)|ハウス内冷房と散布自動化で収量39トン達成、作業効率と品質を向上
[インタビュー]黒澤農園(キュウリ)|作物ハウスの温湿度管理で年間収量17%増、燃料コストと作業負担を軽減


ユーザー紹介
埼玉県秩父できゅうりを生産されている農家さまです。元々は植物工場用のLEDライトを扱っておられましたが2012年に新規就農され、現在はハウス4棟1200坪を経営されています。農業経験がないという点をご自身の強みと考えられ、過去の経験則からではなく、現在の気象条件とハウス内の測定値をもとに管理する次世代型農業を目指されています。
導入事例インタビュー|合同会社黒澤農園 代表 黒澤 忠弘 様
「CoolPescon®導入棟は収量が17%増加、炭酸ガス施用に使用する燃料を30%削減、薬散の省力化も実現できました。」
この事例で使われている
ソリューション・製品
CoolPescon®を導入するきっかけ
秩父は盆地なので寒暖差が激しく、夏は外気40℃、ハウスの中は45℃ぐらいとサウナ状態。また春は乾燥もひどくて湿度30%、飽差は10g/㎥を超えてきます。乾燥すると気孔が開かなくて炭酸ガスを吸収してくれないんですね。気孔が開きやすいのが飽差3~6だと言われていて、そこを狙うのと、暑さ対策に何か良い手がないかと調べていました。
そんな折、2016年に千葉でトマト・キュウリサミットというのがあり僕は講師で参加したんですが、会場の柏の葉キャンパスにCoolPescon®が導入されていて、パッと見て凄く良いとわかったんです。
病気の心配がないのが凄い
文献などでこんな物の存在は知っていましたが、必ず葉っぱが濡れると聞いていました。きゅうりは病害が多くて、濡れると褐斑病や灰色かび病などで葉も実もやられてしまう。1回植えると4か月程収穫するんだけど、病気になり2か月で収穫が終わってしまう農家さんもある。ところがCoolPescon®は霧が凄く細かくて濡れることがない。病気の心配をせず、本来の課題対策をすることができる。他社製品とも少し比較はしましたが、霧質は良いし、システムの制御系も充実していて自動運転もできるしで、選定の際は全く悩みませんでした。
導入効果
導入後は朝8時から昼2時まで、温度と湿度で飽差を調整しながら稼働させています。
導入前と比べるとハウス内温度は-3℃。湿度は70~80%、飽差も6g/㎥を達成しています。昨年は非導入棟の作付けはどこも30t/300坪だったんですが、導入棟は35t/300坪と17%増加していて、単純計算ですが秩父きゅうりは大体300円/kgなので150万円程の増収になりました。今回は補助金も利用して導入したので、投資した分が初年度で回収できた計算になりますね。
また、従来薬剤散布を春は週1回、秋は週2回、1回あたり1人で2時間かけてやってましたが、これが自動化できて非常に楽になりました。それとうちは炭酸ガスを600ppmで散布してるんですが、ハウスの換気をしなくても室温を低く保てる期間が増えたので漏れによるロスが少なくなり、炭酸ガス施用のための燃料消費量も約30%削減できました。
今後について
夕方まで稼働させて夜間温度が下がったときに過湿状態になるのを防ぐため、まだバランスを取るのが難しいですね。これはまだこれから勉強しないといけないです。
圃場は4つあるので、今後また追加という話をさせてもらうと思います。引き続きよろしくお願いしますね。