
[事例]各種用水の貯留水における昆虫卵・微細異物・バイオフィルム対策|ARSフィルターで水質改善と運用安定化

ある化学製品メーカー様では工場敷地内に複数の大型貯水槽を保有されており、夏季になるとその貯水槽がユスリカの発生源となって、周辺の住宅地からクレームが発生するという問題に長年悩まされていました。社会的責任を果たすためにも、また地域社会との良好な関係維持のためにも、抜本的な対策が急務となっていました。
殺虫剤などの薬剤散布は環境への影響や製品への混入リスクを考えると選択できません。継続的に行え、手間がかからず、かつクリーンな方法でユスリカの発生そのものを抑制できる解決策が求められました。
このような「薬剤不使用」かつ「メンテナンス負荷をかけたくない」という要求に対し、当社は特性の異なる2種類のスプレーノズル『BBXPシリーズ』と『AJPシリーズ』を組み合わせた、水面撹拌システムの導入をご提案しました。このシステムは、貯水槽の水面全体に常に穏やかな波を立てることで、ユスリカが産卵のために水面に留まることを物理的に妨害し、繁殖サイクルを断ち切るというものです。
広大な水面を効率的にカバーするため、120°という広い噴霧角度を持つ広角充円錐ノズル『BBXPシリーズ』を槽の上部に配置。さらに、独自の旋回子(ワーラー)を持たない構造により、圧倒的な目詰まり耐性を誇る大異物通過径充円錐ノズル『AJPシリーズ』を組み合わせることで、万が一、水中にゴミが混入してもシステムが停止することなく、安定して水面を波立たせ続けることを可能にしました。このご提案は、大規模な改修工事を必要とせず、既存の設備に容易に追加できる点も高く評価いただきました。

▲システム導入後の水面の様子(画像はイメージです)
本システムを導入いただいた施設では、以下のような効果が確認されています。
当社では、目詰まりに強く、広範囲をカバーできる『BBXPシリーズ』や、極めて大きな異物通過径を誇る『AJPシリーズ』など、多種多様なスプレーノズルをご用意しております。これらのノズルを組み合わせることで、薬剤を使わずにユスリカなどの虫害対策を行う水面撹拌や、その他さまざまな用途に合わせた最適なソリューションをご提案します。

▲左:広角充円錐ノズル『BBXP』、右:目詰まり解消形充円錐ノズル『AJP』