[事例]段ボール製造工場|省エネ加湿で製函工程の罫線割れを1%以下に低減、生産性を向上


この事例で使われている
ソリューション・製品

ユーザー様の課題
ユーザー様の工場では冬季に発生するダンボールの罫線割れが問題となっていました。対策を検討する中で、ダンボール製造工場での加湿実績が豊富な当社にご相談をいただきました。打合せには初回から工場長、製造課長、製函工程課長、マネージャークラスの皆様にご出席いただき、積極的な質疑応答が行われました。
罫線割れが発生するとどういった不具合が起こるのか?
一つには、シートが乾燥すると機械で罫線を入れた時に段ボールが割れてしまうという致命的な不具合。もう一つはその罫線割れ対策として罫線の入力圧を弱くすることにより、今度は張り合わせの時に不良が起きやすくなる、という悩ましい問題が発生します。
加えて段ボールシートの原料が変更となった場合、さらにシートが割れやすくなる可能性があったため、早めに対策を打つべくプロジェクトがスタートしました。
いけうちからのご提案
当社からは過去の実績を元に加湿システムを設置し、シートの含水量UPによる罫割れ低減をご提案しました。
建屋内部が非常に広かったので、特に加湿が必要な箇所のみを対象エリアとし、そこを取り囲む形のレイアウトを採用。強力なスポット加湿を行うことが可能なシステムを設計しました。
また天井が高いことから、加湿器の設置位置も比較的高所となります。導入後に加湿器本体のメンテナンスを行う際、作業者負担が大きくなることが予想されたため、なるべくメンテナンス頻度を低減するための仕組みを設けました。
設置する予定だった当社のドライフォグ加湿器AKIMistについては、同シリーズの中でも特に目詰まりに強い『AE-04E』タイプを選定、さらに逆浸透膜純水器を設置して加湿器前段で水処理を行い、ノズル詰まりの原因となる不純物を可能な限り除去することで、納入後の現場の手間を大きく低減するというものです。
▲本件のモデルケースとなったタケウチハイパック様の加湿現場
製品デモ実演
関係者にお集まりいただき、実際の製造ラインで加湿器のデモを実施したところ、段ボールシートや設備への濡れが起こらないことが確認できたため、ポータブルタイプの加湿器をその場でご購入いただき、お客様の方で段ボールシートへの影響などを引き続きご確認いただくことになりました。
継続テストでも濡れなどの問題発生は認められず、課題改善の効果もしっかり確認いただくことができたため、冬季前の加湿システム導入が正式に決定されました。

導入効果
加湿システムを設置した箇所での罫線割れ発生率は10%台から1%以下にまで大幅に低減しました。また罫割れが減少したことによって、貼り合わせ工程でのトラブルが減少し作業負担も大きく低減されました。導入検討された皆様はもちろんのこと、現場オペレーターの方たちからも大好評をいただく結果となりました。
想定以上の効果だったということで、ゆくゆくは他ラインへの増設や他工場への導入も検討してみたいとのお声もいただいております。
また、定期的に弊社にてメンテナンス作業を行わせていただく「まかせっ霧」も合わせてご契約いただきましたので、長期間安心してご使用いただけるシステムになりました。こちらの事例だけでなく、霧のいけうちは今後もダンボール製造工場の課題改善に向けて取り組んでいきます。