[事例]製鉄所・鋼板表面処理|異物除去機能付きスプレーヘッダーで定修時のメンテナンス作業負荷を軽減
[事例]冷延鋼板の表面処理工程|ノズル清掃機構付きスプレーヘッダーでメンテナンス負荷を大幅に軽減


この事例で使われている
ソリューション・製品
導入の決め手
- メンテナンス作業の負荷を大幅に軽減し、危険作業を不要にする製品
- 進化型エアー駆動式を選べば、さらに手間いらず
- ハンドルを1日3回程度回すだけで清掃が完了。
目詰まりしたノズルの取り外しや清掃、再取り付けといったメンテナンス作業から解放されます。 - スプレーヘッダーを取り外す必要がなくなり、危険作業を回避できます。
- ノズルの目詰まりによる鋼板の洗浄ムラや表面処理ムラが解消され、安定した品質を維持できます。
- 現場で作業することなく、遠隔操作でブラシを駆動し異物を除去
- タイマー設定によるノズルの自動清掃も可能
- 手動ハンドルが不要なため、手の届きにくい奥まった場所でも設置可能
鋼板表面処理におけるスプレーノズルの活用
製鉄所における冷延鋼板の表面処理工程には、連続酸洗ライン(CPL)、連続焼鈍ライン(CAL)、連続溶融亜鉛メッキライン(CGL)などがあります。
これらのラインでは、スケール除去のための酸洗やリンス、アルカリ脱脂、次工程への液の持ち込み防止、鋼板表面の乾燥防止など、さまざまな目的でスプレーノズルが広く活用されています。
スプレーヘッダー
各ラインでは、複数のスプレーノズルを1本のパイプに取り付け、ラインをまたぐように配置することで、鋼板の幅方向全体を均一にカバーするスプレーヘッダーとして使用されるのが一般的です。
ただし、ヘッダーは1本だけでなく、補完のために複数本が設置されることも多く、1つの工程で10本以上が使用されているケースもあります。
メンテナンス負荷と危険作業のリスク
こういった工程では、循環された工水に含まれる異物がノズルの噴口部に堆積したり、薬液の成分が析出するなどでノズルの目詰まりを引き起こします。目詰まりを放置すると洗浄や表面処理にムラが生じ、製品品質の低下を招くだけでなく、ノズルの噴霧性能が不安定になりライン全体の稼働にも影響を及ぼします。
安定操業のためには定期的にスプレーヘッダーから一つずつノズルを取り外して清掃し、目詰まりを解消する必要がありますが、取り付いているノズルの個数はとても多いのでメンテナンス作業は大きな負担です。
またヘッダーは狭所や高所、薬液を扱う工程の近くなど作業環境として過酷な場所に設置されていることが多く、さらに通常は1メートル以上の長さがあるため、ノズルの清掃に際してヘッダーを取り外す作業そのものが危険を伴います。
いけうちからのご提案
ラインの安定稼働を維持しつつ、メンテナンスにかかる負荷を大幅に軽減し、危険作業もなくしたい。そんなお客様の課題を解決するのが異物除去機能付きスプレーヘッダー「BRASIKan(ブラシカン)」です。
この製品の特長はヘッダー内部に清掃用ブラシが内蔵されている点です。通常時は扇形スプレーで水洗やリンス、薬液を噴霧しますが異物による目詰まりが発生した際は、このブラシで目詰まり箇所であるノズルの液流入口を清掃することが可能です。
仕組みとしてはハンドル操作によりブラシが回転し異物を除去、同時にフラッシュバルブが開いて除去した異物がドレンとして排出されます。
ブラシがノズルの液流入口を清掃 (左) | 異物をドレンとして排出 (右)
ノズル、ヘッダー、内蔵ブラシともに、水洗リンス用だけでなく、酸性やアルカリ性の液体噴霧にも対応可能な材質を取り揃えています。
導入効果
さらに手間いらずの進化型:エアー駆動式BRASIKan(ブラシカン)
エアーを接続して内蔵ブラシを駆動できるエアー駆動式スプレーヘッダーを選べば、さらに手間いらずの運転が可能になります。
その進化型の特長と導入効果は次のとおりです。
霧のいけうちのスプレーシステムは今日も、冷延鋼板の表面処理工程における省力化と、安全・安心な労働環境の維持に貢献し続けています。
エアー駆動式 BRASIKan(ブラシカン)の運転の様子