技術情報

[事例]国宝松江城に「天空の城」を創出、国内最大級の人工雲海で記念事業を彩る

事例概要

2025年、国宝指定10周年・天守保存150周年という記念すべき年を迎えた国宝松江城(島根県松江市)。
この記念事業の目玉として開催されたイベント「雲海・松江城『八雲立つ』~光と詩で紡ぐ物語~」において、当社の「人工の雲海システム」が採用され、城郭を包み込む国内最大級の雲海を創出しました。

この事例で使われている
ソリューション・製品

雲海に浮かぶ国宝松江城

400年の歴史を持つ国宝が現代の技術と出会い、
神話のような姿を見せてくれました。

プロジェクトの背景:国宝松江城、記念すべき年

現存十二天守の一つであり、2015年に国宝に指定された松江城。1611年に完成して以来、400年以上にわたり松江の街のシンボルであり続けてきました。明治期の廃城令による取り壊しの危機を市民の力で乗り越え、大切に保存されてきた天守は、2025年に保存150周年という大きな節目も迎えました。この歴史的な年を祝い、松江城の新たな魅力を国内外に発信する、かつてないスケールのイベントが企画されました。

『八雲立つ出雲』の神話性を現代に蘇らせる雲海の意義

イベントの企画制作を主導された由志園デザインシステム株式会社様が描いた構想、それは「八雲立つ出雲」の神話的世界観を、現代の技術で松江城に現出させることでした。「八雲立つ 出雲八重垣…」—古事記に記されたこの歌のように、幾重にも重なる雲は、この地の原風景ともいえる特別な存在です。歴史の象徴である松江城を、その地ならではの「雲海」で包み込むことは、城が持つ400年の歴史と、この地に根付くさらに深い文化的な記憶を結びつける、非常に意義深い試みでした。

写真:夜の雲海とプロジェクションマッピング
写真:夜の雲海とプロジェクションマッピング

いけうちの貢献:由志園様との緊密な連携で実現した「人工の雲海システム」

この壮大な構想を実現するための技術パートナーとして、当社いけうちが選ばれました。当社は、日本庭園由志園様が園内で手掛ける名高い雲海演出においても、霧を発生させる心臓部の技術を提供しており、その深い信頼関係とノウハウの蓄積がありました。昨2024年に熊本城で実現した「雲上の熊本城」プロジェクトに続くこの度の協業においても、由志園様と緊密に連携を取りながら、理想の雲海を創り出すためのシステム構築を担当しました。

当社の役割は、大きさや密度、動きの異なる霧を自在にコントロールする独自の霧技術を提供し、天候や時間帯の変化に対応しながら、プロジェクションマッピングの映像や立体音響と完璧に調和する「生きた雲海」を安定的に創出すること。由志園様が描く芸術的な演出を、技術的な側面から完璧に支えることが我々のミッションでした。

導入後の効果:SNSや各種メディアで好評、神話の世界が大きな話題に

2025年6月28日にイベントが始まると、その幻想的な光景は瞬く間にSNSや各種メディアで大きな反響を呼びました。

「本物の天空の城」「神話の世界に迷い込んだみたい」「写真映えがすごく、何枚撮っても足りない」「昼の雲海もきれいだが、夜のライトアップされた姿は圧巻」といった賞賛の声が多数投稿され、「#雲海松江城」「#天空の城」などのハッシュタグとともに、来場者が撮影した美しい写真や動画が数多く拡散されています。この成功は、由志園様の卓越した演出力と、それを支える当社の霧技術が高次元で融合した結果であり、記念事業の成功を力強く後押ししています。

写真:SNSで話題となった雲上の松江城の写真

歴史的建造物の価値を未来へ。いけうちの新たな挑戦

今回の松江城、そして昨年の熊本城でのプロジェクトの成功は、当社の霧技術が、単なる工業製品としてだけでなく、歴史的建造物や文化財の価値を再発見し、新たな魅力として未来へ伝えていくための強力なツールとなり得ることを証明しました。

株式会社いけうちは、これからも城郭・神社仏閣・史跡といった日本の貴重な歴史遺産と真摯に向き合い、その空間が持つ物語や価値を、霧の力で増幅させるような取り組みに挑戦してまいります。景観演出、空間保存のための調湿、そして訪れる人々の心に残る体験価値の創出を通じて、日本の文化財の保存と活用に貢献していく所存です。

景観を創造するシステム 人工の雲海システム

当社の「人工の雲海システム」は、独自のノズル技術により、自然の雲海さながらのダイナミックで幻想的な霧を安定的に創出します。気象条件に左右されずにいつでも壮大な景観を生み出せるだけでなく、プロジェクションマッピングや照明、音響など、他の演出と組み合わせることで、没入感の高いアート空間を創造します。

写真:いけうちの人工の雲海システム


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