
[事例]ゴミ焼却施設減温塔でのガス冷却用水噴霧ノズルの改良|メンテナンス性の向上
この事例で使われている
ソリューション・製品
あるセメント工場様では、石灰石を乾燥させる工程でロータリードライヤーを使用していましたが、その設備に付帯する緊急散水用スプレーノズルの性能に課題を抱えていました。

このドライヤーは、稼働中に発生する熱を回収・再利用するシステムで運転されていますが、緊急停止時には熱回収サイクルが停止し、内部の温度が過剰に上昇するため、スプレーノズルによる散水が必要となります。
ところが、もともと設備に取り付けられていたノズルでは、散水時に設備内や周辺を水浸しにしてしまう問題が発生していました。
ノズルを交換しようとしても、メーカーが不明のため注文ができず、適切な代替品を見つけることが困難な状況でした。 そこで、スプレーノズル専門メーカーである当社にご相談をいただきました。
早速、現場を訪問し、ノズルの種類や散水量、設備の仕様を確認したところ、当社のスピルバックノズル*1である「GSPBノズル」*2 が適切と判断しました。

散水イメージ(左)|実際の納入時はGSPBノズルを保護管内に装着(右)
*1 スピルバックノズル(またはリターンノズル)とは、スプレーの粒子径を一定に保ちながら、噴霧量を調整できるノズルで、当社の標準タイプ「SPBシリーズ」のうち、最も大型の型番での噴霧量は30L/minです。
*2 GSPBノズルは、SPBシリーズのさらに大噴量タイプであり、最大噴霧量は167L/min(10トン/hr)に達します。そのため、内径5m・長さ30m超のロータリードライヤーであっても、筒内を最適に冷却することができます。

GSPBノズル噴霧の様子
ドライヤーへのノズル取り付け口は原料シュート近くに6本分ありましたが、お客様が希望する散水量の根拠が明確でなかったため、まずは4本を使用し、必要に応じて追加することを提案しました。
試験の結果、4本で十分な散水効果が得られたため、コストの削減に加え、メンテナンスの手間や費用も抑えることができました。

散水試験の様子
スプレーノズルが今日も、安全で信頼性の高い設備保全に貢献しています。