技術情報

[事例]繊維工場|逆洗式オートストレーナーで異物を除去し、エアワッシャー用循環水の自動ろ過運転を実現

この事例で使われている
ソリューション・製品

導入の決め手

循環洗浄水から異物を除去することでスプレーノズルの目詰まりを抑えられるだけでなく、自動逆洗機能によってフィルター清掃などのメンテナンス作業を大幅に軽減できる製品であったこと。

繊維工場におけるエアワッシャー

エアワッシャーはブース内で微細な水滴を噴霧し、出口側に設けたファンで外気を吸引することで、その湿潤空間を強制的に通過させ、空気中のホコリや異物を洗い落としながら加湿と冷房補助を行う空調設備です。
特に空気の湿度や清浄度が製品品質や設備稼働に直結する繊維工場では、その効果を高く発揮します。

以下に、繊維工場における代表的な導入効果を示します。

湿度コントロール
綿やウールなどの繊維素材は湿度に非常に敏感です。空気が乾燥すると糸切れや寸法変化が起こりやすくなります。エアワッシャーは空気中に適度な湿度を供給することで、こうした問題を抑え、生産性の維持と製品品質の安定に貢献します。

ダスト除去
紡績や織布、染色などの工程では、糸くずや繊維ダストが空気中に舞い上がり、作業環境の汚染や製品への付着、設備不調などの原因となることがあります。エアワッシャーは空気を「洗う」機能により、こうした浮遊異物を効果的に除去し、トラブルの予防に貢献します。

冷房効果
水が蒸発する際の気化熱によって空気温度が下がるため、エアワッシャーは空調設備の冷房補助としても機能します。

お客様の課題

ある繊維工場では、エアワッシャーを活用して工場内の湿度を一定に保ち、糸切れや静電気の発生を抑えることで、安定した生産と品質管理を維持してきました。

当初は特に支障もなく運用されていましたが、稼働環境や生産量の変化とともに、空気中に漂う糸くずや繊維ダストがスプレーによって洗い落とされ、そのままスプレーに使用されている循環水に混入する影響が徐々に無視できなくなってきました。


糸くずや繊維ダストが循環水に混入

その結果、スプレーノズルの目詰まりによる噴霧不良や、フィルターへの異物堆積による清掃頻度の増加が現場の負担となり、設備の安定稼働にも支障をきたし始めていました。


フィルターへの異物堆積による清掃頻度の増加が課題に

こうした状況を受けて、保守負荷の軽減と安定運用の実現を目的に、当社へご相談をいただきました。

いけうちからのご提案

当社は、自動逆洗機能を備えたろ過装置「ARS(逆洗式オートストレーナー)」の導入をご提案しました。循環水プールの手前に設置することで異物を効率よく除去でき、目詰まりしたノズルのメンテナンスやフィルター清掃の手間や回数を大幅に減らすことが可能です。


左:ARS-1000の外観イラスト|右:稼働中のデモ機
※実機はステンレス製のため、内部構造は外側からは見えません。

ARSは、ろ過動作中に異物がスクリーンに堆積して差圧が発生すると、それを検知して自動で逆洗を開始するろ過装置です。高圧のジェット水流がスクリーン内側から異物を吹き飛ばし、差圧が解消されると原水の供給とろ過が再開されます。
このサイクルを繰り返すことで、安定したろ過性能を保ちながら連続運転を実現します。


左:ろ過動作|右:逆洗動作


左:上から見た逆洗動作|右:スクリーン内側からジェット水流で異物を除去する様子

導入効果

ARSの自動逆洗機能により、フィルター上の異物が常に除去されるようになり、循環水を安定して使い続けられる環境が整いました。その結果、スプレーノズルの目詰まりは大きく減少頻繁だったメンテナンス作業の手間も大幅に軽減され、現場の負荷が大きく改善されています。

今日もARSが、繊維工場のの安定稼働をしっかりと支えています。


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