技術情報

[事例]医薬品工場|シャワーボールノズルでサニタリータンク鏡板内面の洗浄死角を狙い撃ち

この事例で使われている
ソリューション・製品

導入の決め手

  • タンク鏡板内面の洗浄死角を狙い撃ちできるシャワーボールノズルを設計・製作できたこと。
  • どの製品がいいのかわからない
  • 全部でいくらになるのか知りたい
  • まず何をすればいいの?
  • なんでもご相談ください

サニタリータンクとは?

サニタリータンクとは、医薬品や食品などの製造工程において、液体の貯蔵・混合・加温・冷却・反応・調製などに使用される、衛生性の高いタンクです。
高い清浄度を維持するため、材質の選定や構造の設計には、厳格な衛生管理基準への適合が求められます。

タンクの鏡板とは?

タンクの鏡板とは、タンクの上下端にある曲面状の部位で、圧力に対する強度を高めるため、半球形や楕円形といった形状が採用されるのが一般的です。
上鏡板には、マンホール、配管・バルブの接続口、計器の取り付け口などが設けられます。

医薬品製造に求められるタンク洗浄ノズルとは?

一般的なタンク洗浄には、ノズル部が2次元または3次元に回転してタンク内面を洗浄する「回転ノズル」のほか、固定された状態で複数の孔からシャワー状に洗浄液を噴射する「シャワーボールノズル」なども広く採用されています。


左:2次元回転ノズル|中:3次元回転ノズル|右:シャワーボールノズル

しかし、医薬品製造の現場ではタンク内全面を確実に洗浄することが求められるため、その構造上回転不良リスクのある回転ノズルは通常使用されません。そのため、多くの場合シャワーボールが唯一の選択肢となります。

お客様の課題

医薬品工場向けの大型サニタリータンク製作を請け負われた、あるタンクメーカー様。
ユーザーの指示に基づいてタンクの仕様書を作成しましたが、やはり今回も回転式ノズルではなく固定式洗浄ノズルを備えることが明記されていました。

さらに、洗浄を徹底するという観点から、上鏡板に設けられたマンホールや接続口、計器取付口の裏側をピンポイントで洗浄できること、という条件も加えられていたのです。

このメーカー様では、球体にまんべんなく噴射孔を配置した全面散水型ノズルの設計には対応していたものの、特定部位を狙って洗浄する「狙い撃ち」仕様のノズルについては、設計の実績がありませんでした。
そのため、外部の洗浄ノズル専門メーカーとして、当社いけうちにお声がけをいただきました。

いけうちからのご提案

早速メーカー様よりタンクの仕様書と3D図面をご提供いただき、洗浄流量や圧力の条件を確認したうえで、シャワーボールの取り付け位置を決定しました。
続いて、ピンポイントで狙う箇所を睨みながら軌跡図を作成し、シャワーボール上の噴孔位置と必要数を一つひとつ検討していきます。

設計完了後は、3Dプリンターで試作品を作成し、性能検証に移ります。
本事例ではその際、メーカー様より洗浄テスト用の実機上鏡板をご貸与いただきました。
こうした連携は、両社の強い信頼関係があってこそ実現したものであり、案件を推進するうえで大きな原動力となりました。

導入効果

その後、何度か検証テストと試作を繰り返し、すべての死角箇所を確実に洗浄できることを確認。

シャワーボールノズルの実機製作を経て、現場タンクでの本番テストも無事に完了し、正式採用に至りました。

当社のタンク洗浄用シャワーボールノズルは今日も、厳しい衛生管理が求められるタンクの洗浄を通じて、高品質な医薬品の製造プロセスを支えています。

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