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工場の業務用加湿器の基礎知識 | 目的や分類、導入時の確認ポイント

工場の空気が乾燥していて生産効率や良品率が低下していて困っているという工場担当者の方もいるのではないのでしょうか。工場に業務用加湿器
を導入すれば、静電気や乾燥の影響を抑え、生産性や良品率を向上できるだけでなく、従業員の安全も守ることが可能です。

本記事では、業務用加湿器の特徴や導入による効果、導入時の確認ポイントについてまとめました。この記事を読めば工場で使用される業務用加湿器についてわかり、その有用性を理解できます。

もし、工場等への業務用加湿器の導入についてご検討中であれば、株式会社いけうちにご相談ください。

加湿器 業務用 工場 1

ドライフォグ加湿システムAIrAKI(エアラキ)は、業務用2流体加湿器AKIMist-E(アキミスト)を用いて、ものに触れても濡れない霧(ドライフォグ)を省エネルギーで噴霧することができます。
より省エネ性能が高い1流体加湿システムAirULM(エアウルム)は、天井高さがある現場にお勧めです。
また、AE-Tセット配管工事不要でドライフォグを導入することができ、コンプレッサーエアーを供給するだけで加湿したい場所を自由に選ぶことが可能です。

<目次>
1.工場で使われる業務用加湿器の特徴
2.工場で業務用加湿器が必要な理由
3.業務用加湿器の分類
4.工場に業務用加湿器を導入する際のポイント
5.工場などへの業務用加湿器の相談は株式会社いけうちへ

1.工場で使われる業務用加湿器の特徴

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引用:フォグエンジニア 霧のいけうち公式サイトより

業務用加湿器とは、家庭用と比べて広い空間を加湿可能な加湿器です。
病院や高齢者施設、保育園、幼稚園など子ども向けの施設などで、体調管理の一環として使用されるケースや、工場や研究室、博物館などモノを適切に管理する目的で使用されるケースなど、多くの現場で活用されています。

特に工場では、製品の品質維持や生産性の向上、火災予防などのために適切な加湿が必要です。
工場は一般家庭に比べて、空間が広いため加湿能力の高い製品が求められますが、家庭用加湿器では十分に加湿するためには複数台使用することとなり、台数が増えるとメンテナンスや水の補充などの手間も増えてしまいます。
また、過剰な加湿は製品や製造ラインに影響を与えてしまうため、適切にコントロールできることも重要です。

業務用加湿器なら、加湿能力はもちろんさまざまな機能によって、工場を適切かつ効率的に湿度コントロールすることが可能です。

2.工場で業務用加湿器が必要な理由

加湿器 業務用 工場 3

引用:フォグエンジニア 霧のいけうち公式サイトより

オフィスなどの一般の加湿と同様、工場の加湿は従業員ののどの痛みや感染症防止などのメリットがありますが、ここでは、工場で特有の業務用加湿器が必要な理由を解説します。

2-1.静電気の防止

冬場の乾燥している時期は、ドアノブに触ろうとして静電気で痛い思いをすることがあります。
空気中に水分が多ければ、水分子を通して少しずつ放電され静電気を軽減できますが、空気が乾燥していると放電されにくく静電気が溜まります。

日常生活では指先に痛みを感じる程度で済みますが、工場での静電気発生は生産効率や良品率の低下の原因となります。
精密な電子回路は静電気が発生することで、回路が破壊されてしまったり、静電気がノイズとなり機器が誤作動を起こしたりすることもあります。

2-2.異物やゴミの付着防止

工場の異物やゴミは湿度が低いと舞いやすくなり工程内に混入しやすくなります。
それらがカメラのレンズなどの光学部品の製造時に付着すると品質の低下につながったり、塗装工程で付着することで表面に凹凸ができてしまったりします。

業務用加湿器で工場の湿度を適切にコントロールすることで、空気中を浮遊しているほこりなどの異物を落としやすくしたり、床の異物が舞い上がるのを防ぐことができます。
また、異物やゴミは静電気によって製品に張り付いてしまうので、静電気の発生を抑えることで、異物付着防止効果も得られます。

2-3.印刷不良の防止

印刷工場で使用される紙は、湿度の影響を受けやすい素材です。
湿度が低すぎると乾燥によって紙の隅が反ってしまい印刷機を通す際のトラブルにつながります。また、静電気が発生すると紙が張り付き位置ずれや紙詰まりの原因にもなります。

工場の加湿を行うことでこれらのトラブルを防ぎ、生産性向上につながります。
ただし、紙は湿度が高すぎても波打ちという変形をしてしまうため、湿度を適切に管理することできる業務用加湿器を選択することが重要です。

2-4.引火・火災防止

印刷工場などでは、有機溶剤を用いたインクを使用している場合があります。
有機溶剤は揮発しやすく引火性が高いので、有機溶剤の使用中に静電気放電が発生するとそこから引火・火災が発生する可能性があります。印刷工場では大量のインクがあるため、一度火災が発生すると大規模な火災に発展してしまう恐れもあります。

また、火災にまで至らなくとも引火することで操業率や良品率の低下、何より従業員の安全を確保することが出来ません。

工場を加湿することで静電気の発生を抑え、引火・火災予防になります。

3.業務用加湿器の分類

加湿器 業務用 工場 4

引用:フォグエンジニア 霧のいけうち公式サイトより

業務用加湿器は加湿方式による分類と、設置方式による分類があります。
以下で詳しくご紹介します。

3-1.加湿方式

業務用加湿器の分類の1つは加湿方式によるものです。それぞれの加湿方式の特徴を解説します。

①気化方式

気化方式は、水を染み込ませたフィルターに風を当てることで水分を拡散させて加湿します。
水を染み込ませたフィルターにファンで風を当てるだけでヒーターなどの加熱を必要としないため、消費電力を低く抑えられます。

ヒーターが無いため空焚きによる火災の心配もありませんが、一方で、ヒーターで加熱しないためフィルターに雑菌が繁殖しやすくなりますメンテナンスを行わないまま使い続けると、フィルターの雑菌をまき散らしてしまうことになり、こまめな手入れが大切です。

また、気化方式は他の加湿方式に比べて加湿能力が低い点にも注意が必要です。

気化方式

②蒸気方式

蒸気方式は、タンク内の水を蒸発させることで、加湿を行います

蒸気方式では水を加熱して高温になるため、雑菌の繁殖を抑えられます。また、加湿能力が高く周囲の気温や湿度の影響を受けにくく安定して加湿できることもメリットです。

一方、ヒーターによる加熱を行うため消費電力が高くなる傾向にあります。加湿時には高温の蒸気が出るので蒸気噴出口を触らないように注意が必要です。

蒸気方式

③水噴霧方式

水噴霧方式には、超音波振動によって水を微粒子化させて加湿する超音波方式と、噴霧ノズルに圧力をかけることで水を霧状に噴霧する高圧スプレー方式があります。
どちらも消費電力が低く、加湿能力の高い加湿方式と言えます。

高圧スプレー方式は以下の2種類があります。

・1流体式:ポンプで加圧した水を噴霧させる。ランニングコストが安い。
・2流体式:圧縮した水と空気を同時に噴霧させることで1流体式よりもさらに微細な水粒子を作り出す。

水噴霧方式

デメリットとしては、水道水を使用すると水に含まれるミネラル分も噴霧して周囲を白く汚すことがあり、その予防のために、加湿器の給水には純水器を用いてミネラル分を除去した水を使用する必要があります。

加湿器 業務用 工場 5

株式会社 いけうちのドライフォグ加湿システムAirAKI(エアラキ)は2流体加湿器を用いて、ものに触れても濡れない霧(ドライフォグ)を省エネルギーで噴霧し、精密な湿度管理を行うことができます。
もちろん純水器を通した水を噴霧するため、ミネラル付着はほとんど発生しません。

④浸透膜方式

浸透膜方式は、水蒸気のみを通す浸透膜の内側に水を通し、その膜の周りに空気を流すことで加湿する方式です。

浸透膜は水だけを通し不純物や雑菌などを通さないため、加熱なしで清潔な加湿を行うことができ、消費電力も低く抑えることができます
デメリットとしては、浸透膜の定期的なメンテナンスが必要なことが上げられます。

⑤ハイブリット式

ハイブリット式は、加湿方式を組み合わせてそれぞれのメリットを活かす方式のことです。

例えば、気化方式と蒸気方式を組み合わせることで雑菌の繁殖を抑えつつ消費電力も抑えることができます。
ハイブリット式は複数の機能を持っているので、構造が複雑になったり本体価格が高額になる傾向があります。また、蒸気方式で稼働していない時間もあるので、純粋な蒸気方式に比べれば雑菌の繁殖を抑える効果は弱くなります。

3-2.設置方式

業務用加湿器のもう1つの分類は設置方式による分類です。

①据付式

据付式は床置きタイプや天井設置式などのタイプがあり、大型で加湿能力が高いことが特徴です。

設置工事が必要になりますが、給排水工事を行うことで給水や排水などの手間を省くことができます。
一方で、一度設置してしまうと簡単には移動できず、本体価格も高価なものが多いので導入時には十分な検討が必要です。

②移動式

移動式は設置工事不要で導入することが可能で、キャスターがついているので移動が簡単です。
必要な部分を集中的に加湿したり、加湿器が不要な時期はしまっておけること、工場のレイアウト変更などにも柔軟に対応できることなどがメリットです。

ただし、ライン付近に設置することになるため、ラインの導線上に十分にスペースがない場合は作業の邪魔になってしまう場合もあるため注意が必要です。

4.工場に業務用加湿器を導入する際の確認ポイント

加湿器 業務用 工場 6

業務用加湿器は、工場の生産を効率化する上で非常に有用ですが、種類も多くどのように選べば良いのか難しい部分もあるでしょう。
ここでは、業務用加湿器の導入を検討する際に確認するべきポイントについて解説していきます。

また以下の動画では、実際に業務用加湿器導入にあたってどのような視点で検討したのかが、事例からわかります。参考になさってください。

引用:【脱炭素】蒸気ボイラーから水噴霧式の加湿へ|ドライフォグ加湿システム導入事例インタビュー

4-1.加湿する面積

業務用加湿器を導入する際に、加湿する面積は重要なポイントです。
加湿能力が高く広い範囲を加湿できるほど本体価格も高額になり、電気代などのランニングコストもより多くかかってしまいます。加湿したい広さを正確に把握したうえで加湿器の選定を行いましょう。

4-2.湿度管理方式

工場における加湿はただ湿度を上げればよいというものではありません。印刷工場では加湿しすぎることで紙の変形が起こったり、それ以外の工場でも機械の錆の原因になったり結露が発生したりします。

工場の最適な湿度は業種によってさまざまで、繊細なコントロールが要求されます。湿度に合わせて運転を自動制御してくれる自動運転機能がついているかどうかも確認しましょう。

4-3.給水方式

加湿器の運転には給水作業か欠かせません。場合によっては1日に複数回の給水作業が必要になる場合もあります。
自動給水機能がついていれば給水の手間を省くことができます

また、業務用加湿器では水の中のミネラル分を一緒に噴霧し、それによって製品などに白い粉がついてしまうことがあります。
不純物を取り除いた純水や不純物をナトリウムイオンに置き換えた軟水を使用することで、白い粉の付着を防ぐことができる加湿器もありますが、その分コストも増大するためよく検討しましょう。

4-4.ランニングコスト

工場で使用する業務用加湿器の主なランニングコストは、電気代とメンテナンス費用です。

電気代は加湿方式によって異なりますが、蒸気方式はヒーターを使用するため電気代が高くなり、気化式は主な電力消費が空気を送り出すファンだけであるため安くなる傾向です。

また、加湿方式によっては、メンテナンスを専門業者に依頼しなければならない場合があります。その場合は事前にメンテナンス費用を確認しておいた方がよいでしょう。

使用する水に水処理が必要な場合は、さらにランニングコストがかかります。

4-5.日々のメンテナンスにかかる手間

加湿器のメンテナンスを怠ると本来の加湿能力を発揮できなくなったり、雑菌をまき散らすことになります。
加湿方式によってはフィルターに雑菌が繁殖しやすいのでフィルターの交換のしやすさや交換頻度を確認しましょう。

自動給水機能のついていないタイプの場合は、タンクの容量やタンク着脱のしやすさなどの給水作業の確認も必要です。給水の頻度が多かったり、給水自体の手間がかかったりすると、手が回らず水切れから湿度低下を引き起こす可能性もあります。

4-6.何Vの電源が使用できるか

移動式の加湿器の場合、何Vの電源が使用できるかを確認する必要があります。一般家庭で用いられている単相100V電源を使用できる場合と、三相200Vの電源が必要な場合があるので、使用したい場所で電源の確保ができるかを確認しておくことも大切です。

4-7.購入するかレンタルか

業務用加湿器の中にはレンタルで使用できるものがあります
実際に使用してみなければ適切な機種を選ぶのが難しい場合もあり、また、購入費用も高額なため、まずはレンタルで試してから検討するのもよいでしょう。

ただし、レンタルできる業務用加湿器は種類が限られていることや、長期的に使用する場合は購入した方がコストを抑えられることなどに注意が必要です。

5.工場などへの業務用加湿器のご相談は株式会社いけうちへ

本記事では、業務用加湿器の特徴や工場に導入する必要性、導入時の確認ポイントについて解説してきました。業務用加湿器は加湿方式の違いや、導入時の確認ポイントが多くあり、目的に合わせて選定する必要があります。本記事を参考にして業種や工場ごとに適切な加湿器を選んでください。

加湿器 業務用 工場 5

株式会社 いけうちのドライフォグ加湿システムAIrAKI(エアラキ)は、業務用2流体加湿器AKIMist-E(アキミスト)を用いて、ものに触れても濡れない霧(ドライフォグ)を省エネルギーで噴霧することができます。
より省エネ性能が高い1流体加湿システムAirULM(エアウルム)は、天井高さがある現場にお勧めです。
また、AE-Tセット配管工事不要でドライフォグを導入することができ、コンプレッサーエアーを供給するだけで加湿したい場所を自由に選ぶことが可能です。

 

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