技術情報

[事例]ウエハー高圧スプレー洗浄|セラミックチップ狭角ノズルへの切り替えで洗浄力向上と長寿命化を実現

この事例で使われている製品・ソリューション

    扇形ノズル VPシリーズ|噴孔部は耐摩耗性に優れたセラミック製

導入の決め手

  • スプレー条件を変えずに、打力を高めて洗浄力を向上させることができたこと。
  • ノズル噴孔部にセラミックを使用した耐摩耗性の高い製品であり、長寿命である点も評価されたこと。

お客様の課題

ある半導体パッケージング工場では、納入されたウエハーをパッケージング工程に投入する前に、純水による高圧スプレー洗浄を行い、表面に付着したパーティクルを除去していました。

ウエハー表面には、ポリイミドを材質とする「パッシベーション」と呼ばれる保護膜が形成されており、その上に付着したパーティクルは、スプレーで比較的容易に洗い流せます。このパッシベーションにより、高圧スプレーを用いてもチップが損傷を受ける心配はありません。

一方で、パッシベーションが施されていない部分、たとえば TEG(※1)やボンディングパッド(※2)の開口部に入り込んだパーティクルは除去が難しく、製品品質に影響を及ぼすリスクが残されていました。

※1:TEG
“Test Element Group”の略。日本語では「テスト素子群」と呼ばれる、ウエハー上に設けられたテスト用パターン。プロセスやデバイスの評価に使用される。
※2:ボンディングパッド
チップの配線パターン上に形成された、導通のためにボンディングワイヤを接続する開口部。

このような背景から、現在使用中の扇形ノズルに替えて、高圧洗浄に適し、パーティクルをより効果的に除去できるスプレーノズルがないかとのご相談をいただきました。

いけうちからのご提案

2流体ノズルへの切り替えや、ノズル位置の調整といった選択肢もご紹介しましたが、お客様からは「圧力・流量・取り付け高さは変更したくない」とのご要望がありました。

そこで現在ご使用中の扇形スプレーの噴霧角度を確認したところ、40°とのこと。それならばと「VPシリーズ」の中から、より狭角の型番をご提案しました。

噴霧角度を狭めることで、圧力・流量・取り付け高さを変えることなく、スプレー粒子がウエハーに当たる力(打力)を高めることができ、洗浄性能の向上が期待できます。

さらに「VPシリーズ」はノズル噴孔部がセラミック製であり、耐摩耗性にも優れています。洗浄力の向上に加え、製品寿命の長さも高評価につながりました。


左:扇形ノズル VPシリーズ(噴孔部にセラミックを使用)|右:狭角扇形スプレーパターン

導入効果

洗浄テストでは非常に良好な結果が得られたとの朗報が届いており、量産機への搭載も目前に迫っています。


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