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工場空調の省エネ化の必要性とは?加湿との関係、省エネの具体的方法

SDGsの取り組みが重視される中、工場の省エネに効果的な方法を検討しているケースも多いでしょう。中でも空調システムに用いるエネルギーは工場での多くを占めているため、効果的な空調システムを導入すると、省エネ効果CO2削減が期待できます。
今回は、工場空調と省エネの関連性や省エネに適した空調システムについて解説します。

省エネに強い加湿器の工場への導入についてご検討中であれば、株式会社いけうちにご相談ください。
空調加湿の専門技術者が現地調査や設計を行い、工場で発生するさまざまな課題を省エネおよびCO2削減の効果が高い加湿システムで解決します。


ドライフォグ加湿システムAirAKI(エアラキ)は2流体加湿器を用いて、ものに触れても濡れない霧(ドライフォグ)を省エネルギーで噴霧することができる業務用加湿器です。
より省エネ性能が高い、1流体加湿システムAirULM(エアウルム)は、比較的天井高さがある現場にお勧めです。

 

<目次>
1.工場の空調と省エネ
2.工場空調における省エネの方法
3.工場空調の省エネ化と加湿
4.水加湿の加湿方式
5.まとめ

1.工場の空調と省エネ

空調設備は建築物で消費されるエネルギーの大部分を占めると言われています。省エネは地球環境を守ることはもちろん、工場経営においては経費削減のためにも重要なポイントです。
ここでは工場を省エネ化するメリットを示し、省エネ法(※)の観点から工場空調と省エネの関連性を解説します。

※省エネ法:「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律」:一定規模以上の(原油換算で1,500kl/年以上のエネルギーを使用する)事業者は、エネルギーの使用状況等についての定期的な報告や、省エネや非化石転換等に関する取組の見直しや計画の策定等に努めることを定めた法律です。(参考:省エネ法の概要|資源エネルギー庁)

(1)工場の省エネ化を行うメリット

工場の省エネ化によるメリットには、「コスト削減」「生産性の向上」「企業のイメージアップ」などがあります。
以下で詳しく解説します。

【コスト削減】

省エネの推進によってエネルギー消費量を減らせるため、原油価格の高騰など世界情勢の変化に強くなるというメリットがあります。
ランニングコストが削減できると、その後も継続的なコストダウンが期待できます。
省エネによるコスト削減は情勢の変化に対応しやすく、中長期的な利益をもたらす工場運営につながるでしょう。

【生産性の向上】

省エネの推進は、生産性の向上にもつながります。
例えば、設備のエネルギー消費を抑えるためには設備の台数や稼働時間についても検討することになるでしょう。そして過剰な設備や稼働時間を削るには生産ラインの効率化が必須となり、結果的に生産性の向上につながります。

【企業のイメージアップ】

今や世界的にSDGsESG投資の視点が普及し、働く人や地球にやさしい企業であることは評価のひとつとなっています。
以下のグラフから、製造業(水色部分)はさまざまな業界の中でも圧倒的に消費エネルギーが多いことがわかるでしょう。

企業・事業所他部門のエネルギー消費の推移(引用:資源エネルギー庁

工場の省エネやCO2の削減の推進は社会的に求められており、企業のイメージアップブランディングにも欠かせません。

(2)工場の空調管理と省エネ

空調設備は、建築物のエネルギー消費量の約50%を占めると言われており、省エネ法には工場や事務所の空調設備についての項目があります。
エネルギーを消費する設備としてボイラーが挙げられており、ボイラーによるCO2などの温室効果ガスの増加が懸念されていることがわかります。
工場における空調設備の省エネ化は工場全体のエネルギー消費量削減に大きく貢献するでしょう。

2.工場空調における省エネの方法

工場における空調設備の省エネには、「外気導入量の削減」「空調設定の適正化」が重要です。
ここでは、これらがどのように省エネにつながるのかを解説します。

(1)外気導入量の削減

工場の空調管理では、外気導入量を減らすと省エネにつながります。

ヒトを対象とした空調は、建築衛生法により様々な基準が設けられています。中でも、二酸化炭素の含有率は1000ppm(0.0001%)以下と定められており、建屋内への外気の導入が必要です。
一方で、必要以上に外気を導入すると空調負荷が大きくなってしまいます。また、温湿度管理が不適切であれば生産性や判断力が低下し、コストアップや事故などの可能性も上がるでしょう。

エアコンの風量設定の調節適切な換気で、空調負荷を抑えながら作業環境を整えることが重要です。

(2)空調設定の適正化

室内温度を1℃緩和すると、空調設備のエネルギー消費量が約10%減少すると言われています。

温度管理は、建屋全体を一括で行うとエネルギー消費量の増加につながります。
例えばエレベータなど滞在時間が短い場所の温度を緩和すると、省エネ効果を得ながら生産性は守れるでしょう。
また、作業するスペースでの温度で空調を設定すると、適正な管理を行いやすくなります。

また、加湿による温度低下除湿による温度上昇を利用して工場内の温度をコントロールすることも省エネの重要なポイントです。次章では工場の加湿について説明します。

 

3.工場空調の省エネ化と加湿

工場における湿度管理は、省エネ以外にも大きなメリットがあります。
ここでは工場で湿度管理を行うメリットと、省エネに効果的な加湿方法について紹介します。

(1)工場空調に加湿が必要な理由

工場における静電気対策は、とても重要です。
生産ラインで静電気が発生すると、製品にチリやホコリを引き寄せたり、制御機器が誤作動を引き起こすなど品質に悪影響を及ぼすでしょう。
加湿をすると空気中の水分が電気の通り道となり、静電気は地面へと逃げやすくなります

工場 空調 省エネ 図解

一方で、湿度が高くなり過ぎればサビなど品質に影響が出るでしょう。程度によっては機器の分解点検や在庫の破棄など、膨大な手間や時間がかかるかもしれません。

工場の空調管理は温度だけでなく湿度も重要ですが、湿度は特に精密なコントロールが必要なのです。

(2)工場の加湿方法の種類と省エネ

工場の加湿方法は、蒸気加湿が広く用いられています。一方、省エネや脱炭素化の観点から水加湿も注目されています。
以下では蒸気加湿・水加湿と省エネの関係を解説します。

蒸気加湿とは】

蒸気加湿とは、電力や化石燃料の燃焼で発生する熱により水を気化させて、加湿する方法です。

特徴は以下の通りです。
    ●電力を用いるタイプ(電極式・電熱式)と燃焼熱を用いるタイプ(ボイラー式など)がある 
  ●加湿能力が高い
  ●熱量と水分量を同時に供給するため、室温が上がりやすい
  ●消費電力が高くCO2の排出量が多くなる

【水加湿とは】

水加湿は、空気中に水を噴霧し気化させることで、湿度をコントロールする方法です。

特徴は以下の通りです。
  ●加湿能力が高い
  ●気化熱による緩やかな冷房効果もあり、冷房負荷を減らせる
  ●消費電力が低く省エネに強い
  ●CO2削減にもつながる

蒸気加湿と水加湿のランニングコストやCO2削減の違いについては、以下の動画が参考になります。

【SDGs|脱炭素】蒸気加湿→水加湿でCO2&コスト削減!【工場の静電気対策】 

以上のように、工場の加湿については加湿方式もよく検討しましょう。

4.水加湿の加湿方式

3章では、蒸気加湿と比較して水加湿が省エネに有利であることがわかりました。
水加湿の加湿方式には、1流体加湿および2流体加湿(表参照)、これらを組み合せたハイブリッド加湿が存在します。

ここでは、1流体加湿・2流体加湿・ハイブリッド加湿の特徴を解説します。

(1)1流体加湿

1流体加湿とは、高圧ポンプで水道水を昇圧し、ノズルから噴霧させるタイプの加湿方法です。
一般に、空気中の水は粒子径が小さいほど気化しやすくなります。そのため、1流体加湿では水道水の水圧(約0.2〜0.3MPa)を6MPaまで昇圧し、送風機でセミドライフォグ(10〜30μm)を拡散します。

1流体加湿システムの代表例には、株式会社いけうちのAirULMがあります。

AirULMはセミドライフォグを噴霧して現場湿度を上昇させる、産業空調用1流体加湿システムです。
コンプレッサーエアーを使用せず高圧ポンプで微粒化を行うため、ランニングコストは2流体加湿システムと比較し約40%減、蒸気式加湿システムと比較し約80%減と大幅に削減します。

(2)2流体加湿

2流体加湿は空気をエアコンプレッサーにより高圧化し、1流体加湿よりさらに小さい7.5μmの水粒子(ドライフォグ:物体を濡らさない霧)を噴霧する加湿方法です。

2流体加湿システムの代表例には、株式会社いけうちのAirAKIがあります。

AirAKIは、濡れない霧(ドライフォグ)を利用して、空調加湿の専門技術者が現地調査や設計を行い現場湿度を最適化する産業空調加湿システムです。
蒸気式加湿からの切替でCO2排出量を約80%削減します。

(3)ハイブリット加湿

ハイブリット加湿とは、1流体加湿システムによって空間内のベース湿度を上げ、生産機械の周辺など、より加湿が必要な箇所に2流体加湿システムを使う方法です。
ハイブリット加湿では、1流体加湿のランニングコストの低さと2流体加湿のスポット加湿で、コスト面に優れた湿度管理を行えます。

ハイブリット加湿システムの代表例には、株式会社いけうちのAirHYBRIDがあります。

AirHYBRIDは、2種類の加湿方式を組み合わせることで省エネ&スピード加湿を実現した加湿システムです。空調加湿の専門技術者が現地調査や設計を行い、現場に合ったシステムを提案します。

 

5.まとめ

今回は工場空調について、空調管理と省エネの関係性から省エネにつながる空調システムまでを解説しました。
工場では湿度が製品や設備に多くの影響を与えるため、湿度管理は欠かせません。より省エネを意識した加湿システムを導入することで、工場全体の省エネにもつながります。

工場への加湿器の導入についてご検討中であれば、株式会社いけうちにご相談ください。
空調加湿の専門技術者が現地調査や設計を行い、工場で発生するさまざまな課題を省エネおよびCO2削減の効果が高い加湿システムで解決いたします。


ドライフォグ加湿システムAirAKI(エアラキ)は2流体加湿器を用いて、ものに触れても濡れない霧(ドライフォグ)を省エネルギーで噴霧することができる業務用加湿器です。
より省エネ性能が高い、1流体加湿システムAirULM(エアウルム)は、比較的天井高さがある現場にお勧めです。

 

 

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