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工場の空調設備とは?業務用空調やエアコンとの違い、選定ポイント

工場用の空調設備は一般的な業務用空調やエアコンと異なり、さまざまな機能性を持っています。設備用の空調は、設置する場所や設備、空調で解決したい課題に合わせた製品を選ぶことが重要です。
今回の記事では、工場用の空調設備と一般的な業務用空調、エアコンとの違いに加えて、おもな工場の空調設備の機能について解説します。現在工場の空調設備の買い替えを検討している方や、温湿度管理に課題がある現場向けの冷房・加湿システムも紹介しています。ぜひ参考にしてください。

もし、工場等への業務用加湿器の導入についてご検討中であれば、株式会社いけうちにご相談ください。

工場の空調設備1


ドライフォグ加湿システムAirAKI(エアラキ)は2流体加湿器を用いて、ものに触れても濡れない霧(ドライフォグ)を省エネルギーで噴霧することができる業務用加湿器です。
より省エネ性能が高い、1流体加湿システムAirULM(エアウルム)は、比較的天井高さがある現場にお勧めです。
また、AE-Tセットは配管工事不要でドライフォグを導入することができ、コンプレッサーエアーを供給するだけで加湿したい場所を自由に選ぶことができます。

<目次>
1.工場の空調設備と業務用空調・エアコンとの違い
2.工場の空調設備選びで注目すべき機能
3.まとめ

1.工場の空調設備と業務用空調・エアコンとの違い

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工場向けの空調を検討しているときに、設備用空調と業務用空調どちらを選ぶべきか分からない方も多いのではないでしょうか。また、空調とエアコンの違いが分からず、価格面でエアコンを選んでしまう方もいるかもしれません。
まずは工場の空調設備と業務用空調、エアコンとの違いを解説します。

(1)設備用空調と業務用空調の違い

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設備用空調とは工場に設置されることが前提の空調です。業務用空調とは、オフィスや学校、店舗などの施設に設置されることを前提とした空調のことを指します。

設備用空調は工場への設置を踏まえて、業務用空調よりも耐久性が高いです。
工場は機器による高温環境下や、長時間運転といった空調の耐久性を損なう環境で稼動するため、鉄などの素材を使用することで耐久性を上げています。ほかにも業務用空調にはない、工場での設置で発生する粉塵を特殊フィルターで除去する、ダクトから離れた場所から送風できる、といった機能も設備用空調は持っています。

耐久性や機能性を高めている分、設備用空調の方が業務用空調よりも価格は高い傾向にあります。また、空調の形状や設置場所などのラインナップは、業務用空調の方が多いです。
価格は高いものの、工場での快適な作業環境の確保や製品の品質保持などの観点からは、設備用空調を選んだ方が良いでしょう。業務用空調では十分な効果が得られない可能性があります。

工場用空調の種類や設置するメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。

(2)空調設備とエアコンの違い

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空調設備は、温度や湿度の調整機能や空気の清浄機能が搭載されている設備のことです。エアコンは温度の調整に特化している設備のため、湿度の調整や空気の清浄機能がない、または搭載されていても空調設備のような詳細な調整をするのは不可能となっています。
工場内で設置する場所によっても、空調設備とエアコンどちらを選ぶかが重要となります。たとえば温度を管理する目的のひとつに従業員の健康管理や作業効率のアップなどがありますが、温度管理のみならエアコンでも問題ない場合もあるでしょう。

ただし、機器や製品の品質保持や、法令違反とならないように厳密な温湿度管理が求められる場合には、より精密な温湿度管理ができる空調設備の設置が必要です。さらにクリーンルームなどほこりなどを発生させない環境下を維持しつつ温湿度管理を行う場合も、空調設備が選択肢となります。

工場で温湿度管理を行う重要性や管理する数値の目安については、以下の記事で詳しく解説しています。

2.工場の空調設備選びで注目すべき機能

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工場用の空調設備は、製品によってさまざまな機能が搭載されています。空調を導入する目的や解決したい課題に対応できる機能を搭載した製品を選ぶことが重要です。
工場の空調設備選びの際に確認したい、代表的な機能を紹介します。

(1)柔軟な温度調整機能

工場は多くの機器を同時に、かつ長時間稼動させていることから熱がこもりやすく、高温環境になりやすい特徴があります。高温環境下になると、食品や医薬品などの温度によって品質が変化する製品の品質低下や、機器の故障につながりやすいです。
設備用空調を設置する場所や取り扱い製品に合わせて、柔軟に温度調整ができる機能が搭載されている空調を選ぶようにしましょう。

株式会社いけうちの大空間冷房システムCLJ-Domeなら、微細な霧(セミドライフォグ)を送風ファンで拡散し、霧の気化熱によって省エネで広範囲を3~5℃冷房することが可能です。

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従来の工場空調では不可能だった大空間や出入口の常時開講しているエリア、建屋などで効率的な冷房機能を発揮し、発塵箇所の沈塵や粉塵対策などの用途にも利用可能です。
設置場所や目的に応じたカスタマイズで現場ごとに最適な形でシステムを構築できます。

(2)メンテナンス性の高さ

工場の空調設備は、定期的なメンテナンスが必要です。たとえばフィルターにほこりやごみが詰まってしまうと、冷暖房機能や空気清浄機能がうまく機能しなくなったり、温度調整に悪影響が出たり、といった可能性があります。メンテナンスを怠ると、設備用空調の故障による修理コストの発生や、工場の稼動率、生産率の低下といったリスクも発生してしまうでしょう。
メンテナンスのしやすい設備用空調を選ぶと、メンテナンスの手間やコストを省きながら設備用空調を活用できます。たとえばフィルター掃除がしやすい、ファンモーターやベルトなどの耐久性が高く耐用年数が長い、ベルトレスでベルトのメンテナンスや交換が不要、といった設備用空調もあります。
ほこりや粉塵が舞いやすい環境下で使用する場合、フィルターにごみやほこりがたまりやすくなるため、フィルターの自動洗浄機能があると良いでしょう。

株式会社いけうちの安心メンテナンス契約「まかせっ霧」なら、メンテナンス計画、部材手配、スケジュール管理といった、機器に必要なメンテナンスを一括して定期的に実施します。

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加湿・冷房・雲海・施設園芸・畜舎などのシステム導入時はもちろん、導入いただいている現場でも契約可能です。
メンテナンスにかかる業務の効率化や外注化を検討しているときにおすすめのサービスです。

(3)空調モード、運転モードの切り替え

工場用の空調設備は、製品によって空調モードや運転モードが異なります。設置する場所に応じた空調モードや運転モードを搭載しているものを選ぶと良いでしょう。

たとえば空調が必要な場所にのみ設置したいときや、空調の温湿度管理をエリアごとで独立して行いたいときは、スポット空調やエリア空調、ゾーン空調モードのもの、工場全体で均一な温湿度管理をしたいときには全体空調モードのものが選択肢となります。製品によっては空調モードや運転モードの切り替え可能なものもあるため、必要に応じて切り替えを検討している場合には切り替え可能な製品の導入も有効です。

(4)空気清浄機能

食品、精密機器などの製品、および検品や梱包、検査などの工程内容がごみやほこり厳禁の場合、空気中にごみやほこりが舞わないように空気清浄機能が搭載された設備用空調を選ぶようにしましょう。

空気清浄機機能を搭載した設備用空調は、粉塵が飛ぶような環境下での従業員の健康管理目的で導入したいときにも有効です。

(5)湿度管理機能

工場用の空調設備は、温度管理だけでなく湿度管理の役割も果たします
湿度が高いとカビや結露が発生するだけでなく、熱中症の発症リスクが高くなります。湿度が低いと乾燥や静電気が起きるため、ほこりが出やすくなったり、機器が故障したりといった可能性もあるでしょう。
また、法令により温湿度管理が義務付けられている(労働安全衛生規則第606条・第607条)上でも工場における湿度管理機能は必須です。設置予定の設備用空調に、柔軟に湿度管理ができる機能があるかどうかも確認しましょう。

株式会社いけうちの産業空調加湿システム「AirAKI」なら、ものに触れても濡れない霧(ドライフォグ)で大空間およびスポット空間の湿度をコントロールし、静電気によるトラブル発生を防ぎます。蒸気式加湿からの切替で、CO2排出量を約80%削減も実現しました。

工場 空調 設備6

現場に合わせて空調加湿の専門技術者が現地調査や設計を行い、現場湿度を最適化する最適な加湿器選定やレイアウト設計を実施します。
また、1流体と2流体の良いとこ取り加湿「AirHYBRID」なら2種類の加湿方式を組み合わせることで、省エネ&スピード加湿を実現します。特にグラビア印刷工場などの有機溶剤を多用する現場など、多くの換気量が必要となる現場への設置に向いています。

1流体加湿と2流体加湿については以下の動画が参考になります。

【工場の静電気対策】1流体加湿と2流体加湿の違い|ハイブリッド加湿とは!?【ゴミブツ対策】

(6)節電・省エネ機能

工場の空調設備は、長時間稼働によって多くの電力を消費します。電力コストの削減や、環境へ配慮するために節電や省エネ機能を搭載したものを選ぶと良いでしょう。

具体的には電力消費量をこまかく調整し設定できるものや、風量を大きくすることで少ない電力で高い冷暖房効果を発揮できる製品、DCモーターを搭載している製品などを選ぶのがおすすめです。

(7)静音機能

工場の立地環境や稼動時間によっては、周辺への騒音対策も必須です。設備用区内による騒音をできるだけ防ぎたいなら、静音設計となっている製品を選びましょう。
たとえば決められた時間になると、自動的に低温運転に切り替えることで騒音をカットする機能が搭載されているものなどが選択肢となります。

3.まとめ

工場の空調設備と一般的な業務用空調、エアコンとの違いに加えて、おもな工場用の空調設備の機能、現場向けのおすすめ冷房・加湿システムを紹介しました。工場は高温多湿を防ぐための温湿度管理が求められますが、取り扱う製品や作業環境など、現場の状況に応じて配慮すべきポイントは異なります。

工場の空調設備の製品選びに頓挫している、現在使用している空調で課題が発生しているときには、空調設備のプロに相談するのもおすすめです。
もし、工場等への業務用加湿器の導入についてご検討中であれば、株式会社いけうちにご相談ください。「空調による温湿度管理がうまくいかない」「加湿をしたいが製品を濡らしたくない」など、工場の空調設備で発生するさまざまな課題を解決いたします。

工場の空調設備1
ドライフォグ加湿システムAirAKI(エアラキ)は2流体加湿器を用いて、ものに触れても濡れない霧(ドライフォグ)を省エネルギーで噴霧することができる業務用加湿器です。
より省エネ性能が高い、1流体加湿システムAirULM(エアウルム)は、比較的天井高さがある現場にお勧めです。
また、AE-Tセットは配管工事不要でドライフォグを導入することができ、コンプレッサーエアーを供給するだけで加湿したい場所を自由に選ぶことができます。

 

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