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印刷機や印刷用紙の効果的な静電気除去方法|発生原因、トラブル例

オフセット印刷機やコピー複合機を事業所や工場内で使用していると、静電気によるトラブルが発生することがあります。静電気を除去したいものの効果的・効率的な方法がなかなかみつからないといった悩みを持つ方も多いかもしれません。
今回の記事では、印刷機や印刷用紙で発生する静電気トラブルと、静電気を除去する方法を解説します。静電気による印刷品質や生産性の低下でお悩みの際には、ぜひ参考にしてください。

もし、印刷工場への加湿器の導入についてご検討中であれば、株式会社いけうちにご相談ください。「静電気対策のために加湿したけれど十分な湿度が得られない」「結露などによる印刷機や紙への影響が心配」などのさまざまな課題を、、専門技術者が現地調査や設計を行い、最適な加湿器の選定やレイアウト設計によって解決に導きます。


ドライフォグ加湿システムAirAKI(エアラキ)は2流体加湿器を用いて、ものに触れても濡れない霧(ドライフォグ)を省エネルギーで噴霧することができる業務用加湿器です。
より省エネ性能が高い、1流体加湿システムAirULM(エアウルム)は、比較的天井高さがある現場にお勧めです。

<目次>
1.印刷で静電気が発生するメカニズム
2.静電気による印刷機や印刷用紙へのトラブル
3.印刷機や印刷用紙の静電気除去方法
4.印刷工場・製紙工場における静電気対策として加湿器を導入した事例
5.まとめ

1.印刷で静電気が発生するメカニズム

静電気を除去するためには、静電気が発生する原因を知り対策をすることが重要です。
ここでは、印刷作業で静電気が発生する理由について解説します。

(1)印刷用紙同士が擦れ合って発生する

静電気は、物質を構成している原子(陽子、中性子、電子)の電荷のバランスが崩れた状態で発生する性質を持っています。電荷がプラスとマイナスで均衡を保っている場合には、静電気は発生しません。

摩擦によって原子の電荷がプラスやマイナスいずれかに流れ、プラスが多い、またはマイナスが多いといった電荷のバランスが崩れると、物質は静電気を帯びた状態になります。

印刷 用紙 静電気 除去4

印刷機で印刷する場合や印刷したものが排出される際に、印刷用紙同士が擦れ合い摩擦が発生します。そのため印刷用紙が静電気を帯びます。

(2)印刷に静電気を使用している

コピー複合機など一部の印刷機は、感光体ドラムを帯電させるために静電気を使っています。感光体ドラムを帯電させるのは、印刷した用紙にトナーを定着させるためです。静電気は一定の場所で帯電する性質を持っているため、静電気によってトナーを定着させることができます。

印刷に静電気が必須である場合、当然ですが静電気が発生しやすい環境下にあると言えます。

(3)空気の乾燥

静電気は、湿度が50%以下になると発生しやすいという性質があります。冬場や空調の使用により印刷現場の空気が乾燥することも、静電気が発生してしまいやすくなる要因のひとつです。

2.静電気による印刷機や印刷用紙へのトラブル

静電気が発生すると、印刷機や印刷用紙へのさまざまなトラブルの原因となります。ここでは、静電気が原因で起こる具体的なトラブルの内容を解説します。

(1)印刷不良

印刷は、印刷用紙が印刷機内のブランケットローラーを通過する際に、印刷用紙の上にインキを乗せることでできあがります。大型の印刷機では、この工程を1秒間に数枚といったペースで品質の高い印刷を大量に行います。

ところが、印刷用紙が帯電すると用紙同士が引き付け合ってしまいます。用紙が密着した状態でブランケットローラーを通過すると、たとえば乾ききっていないインキが次の印刷用紙の裏面に移る裏移りや、インキの跳ねにじみなど印刷上のさまざまな不良が発生します。

印刷不良が起きれば、不良を出した印刷用紙は破棄となるため、印刷用紙やインキのコストがかかります。やり直しが発生した分、稼動率や生産性も落ちてしまうでしょう。万が一検品工程で印刷不良に気が付かずそのまま出稿してしまった場合はクレームとなる可能性も高く、その負担はもちろん企業としての信頼損失にもつながります。

(2)印刷用紙の排出不良

静電気を帯びた印刷用紙は印刷機内で密着してしまうため、印刷時に二枚取り状態で紙送りされることになります。そのため、印刷機内で正常に給紙や排出がされなくなり、用紙がひっかかる、紙詰まりを起こすといった原因となります。

用紙のひっかかりや詰まりが発生すると、いったん印刷機を止めて問題の用紙を取り出す必要があり、生産性や稼働率が低下します。

(3)印刷機の故障

印刷機械には、印刷物の模様をすべて同じ位置に印刷する、「見当装置」という装置が付いています。静電気を帯びた印刷用紙が印刷機と引きあってしまうと、検討装置の機能を無効化してしまいます。見当装置が働かないことで、印刷の品質が落ちるだけでなく、機械の故障を招くリスクもあります。

印刷機が故障すれば、稼動率の低下による納期遅れや、修理コストが発生します。

(4)印刷用紙へのゴミやほこりの付着

静電気が帯電した物質は、ゴミやほこりを引き寄せる性質を持っています。印刷用紙が静電気を帯びた状態で印刷機を通ると、印刷機の中にあるほこりやゴミ(印刷用紙の剥離カスや紙粉)が、印刷機の中を通過するときに付着してしまいます。

ゴミやほこりが付着したまま印刷すると、印刷のスレや跳びの原因にもなります。印刷済みの用紙にもゴミやほこりが付着してしまうため、印刷物の品質低下にもつながるでしょう。

(5)印刷用紙の不揃い

静電気を帯電した用紙同士は、密着するだけでなく反発する性質もあります。そのため、静電気によって印刷後の用紙の不揃いが発生します。印刷後の紙揃え工程に影響が出るため、機械の回転数が落ちてしまい、生産性が低下してしまうでしょう。

(6)印刷用紙の取り扱いの非効率化

静電気はオペレーターによる作業にも悪影響を与えます。印刷機に触れる時にパチっと静電気が発生して不快になるだけでなく、静電気を帯びた印刷用紙が密着してしまいうまくはがせない、手や体にまとわりつくなどの作業効率が低下する原因になります。

 

3.印刷機や印刷用紙の静電気除去方法

静電気が発生することで、生産性や稼働率の低下、コストの増加、クレーム発生への対応や企業としての信頼損失といったことにもつながってしまうことが分かりました。静電気によるトラブルを防ぐためにも、静電気を除去するための取り組みが必要です。
ここでは印刷機や印刷用紙への静電気を除去するための、具体的な方法を解説します。

(1)基本的な静電気除去:アースへの接続

基本的な静電気除去方法として、アースへの接続があります。アースとは、電気を通しやすいもの(導体)の静電気除去に有効な方法です。プラスにかたより静電気を帯びた導体をアースにつなげると、アースからマイナスの電気が伝わり、電気的に安定した状態を作れるため、静電気を除去できます。印刷機は導体にあたるため、アースの接続が静電気除去に有効です。

アースを利用した印刷機の静電気除去グッズにはリストストラップマットなどがあります。

印刷 用紙 静電気 除去3

アースにつながった構造となっているリストストラップを装着することで、人体に静電気のない状態を保ち、人体を介した静電気を除去できます。リストストラップのクリップをアースに接続することで、静電気が地面に放電される仕組みです。
ただしクリップをつけ忘れると効果を発揮しないことや、長く使用していると摩耗や汚れによってアースの効果が劣化するなどには注意が必要です。

静電気を防止する素材からできているフロアマットや張床材などを印刷現場の床に使用する方法もあります。印刷機の接する床や作業台、印刷物の保管棚などに採用すれば、静電気対策ができます。
静電気防止マットは、既存の現場に設置するだけですぐに静電気対策ができるという簡便さがメリットですが、経年劣化による効果の低下には注意が必要です。

(2)加湿器を導入し湿度をコントロールする

静電気の発生を抑える方法として業務用の加湿器で効果的に湿度をコントロールする方法があります。湿度が50%を切ると静電気が発生しやすくなるため、工場全体や静電気発生リスクが高い箇所などを適切に加湿することで、効果的に静電気の予防ができます。

ただし、加湿器によっては導入コスト・ランニングコストが高くなったり、加湿不足による効果の不足、蒸気による印刷用紙への悪影響が出たりする場合があり、選定には注意が必要です。

株式会社いけうちの「産業空調加湿システムAirAKI(エアラキ)」なら、ものに触れても濡れない平均粒子径7.5μmのドライフォグを利用して、印刷工場の湿度の最適化が可能です。加湿による印刷用紙や印刷機への影響なく、静電気発生や乾燥による印刷機や印刷用紙のトラブル発生を防ぎます。
極めて少量のエネルギーで大量のドライフォグを発生させる省エネ設計のため、蒸気式加湿システムと比較してCO2排出量を約80%削減も実現しています。

 (3)除電器(イオナイザ)を導入する

除電器とは、静電気をイオンで中和し静電気を除去する装置です。加湿器は湿度コントロールによって静電気を予防するのに対して、除電器は発生してしまった静電気を除去します。

印刷機の各工程に除電器を設置することで静電気を除去できますが、工場中の静電気を除電器で対応するには膨大な数を設置する必要があり、現実的ではありません。
加湿器によって工場全体の静電気の発生を予防した上で、それでも発生しやすい場所に除電器を利用すると効率良く効果を得られます。

加湿器と除電器による静電気対策の違いについては以下の動画も参考になります。

【工場の静電気対策】加湿?それともイオナイザ?|湿度管理と除電器の関係【ゴミブツ対策】

4.印刷工場・製紙工場における静電気対策として加湿器を導入した事例

産業空調加湿システムは、印刷工場や製紙工場の静電気トラブル予防として多くの企業で導入されています。
ここではその事例を紹介します。

(1)大栗紙工株式会社様の事例

引用:https://www.dry-fog.com/jp/projects-technology/cases/hum-aa-ogurisiko/

大栗紙工株式会社様では、冬になると乾燥が原因で紙が反る、紙と紙が張り付く、2枚送りになってしまい機械が詰まる、といった生産性の低下が発生する課題を持っていました。市販の加湿器や除電ロープを導入しても効果が出なかったため、産業空調加湿システム(株式会社いけうち「AirAKI」)を導入。

冬場の生産性が改善されただけでなく、1年を通じて使用することで常に湿度が安定した現場環境が整い、試算以上の効果が出ました。

(2)東洋紙業株式会社様の事例

引用:https://www.dry-fog.com/jp/projects-technology/cases/hum-aulm-toyoshigyo/

東洋紙業株式会社様では、湿度不足によって静電気が発生しやすくなり、用紙不揃いや2枚差しといった不具合やチョコ停が多発していました。
生産性の低下が問題となっていた中で、ソリューションとして加湿器の導入を検討しますが、必要なエアーコンプレッサーの余力がなかったため、高圧ポンプのみで稼働する加湿システム(株式会社いけうち「AirULM」)を選択しました。

適切な加湿器の選定によって以前の加湿器では叶わなかった湿度55%を達成し、用紙不揃いなどの不具合によるチョコ停が減り、ロスする紙の減少や作業効率、生産性の向上につながりました。

さらに以下の記事でも事例を紹介しています。参考になさってください。

【オフセット印刷でのトラブル対策】    

【グラビア印刷工場|静電気発火と火災を防ぐには】

 

5.まとめ

印刷機や印刷用紙で静電気が発生する原因とともに、静電気の除去方法を紹介しました。静電気による印刷機や印刷用紙へのトラブルは、生産性の低下やコスト増といったさまざまな問題の原因となってしまいます。印刷機や印刷用紙の静電気対策に最適な方法を取り入れ、現場の静電気除去を実現しましょう。

もし、印刷工場への加湿器の導入についてご検討中であれば、株式会社いけうちにご相談ください。「静電気対策のために加湿したけれど十分な湿度が得られない」「結露などによる印刷機や紙への影響が心配」などのさまざまな課題を、専門技術者が現地調査や設計を行い、最適な加湿器の選定やレイアウト設計によって解決に導きます。


ドライフォグ加湿システムAirAKI(エアラキ)は2流体加湿器を用いて、ものに触れても濡れない霧(ドライフォグ)を省エネルギーで噴霧することができる業務用加湿器です。
より省エネ性能が高い、1流体加湿システムAirULM(エアウルム)は、比較的天井高さがある現場にお勧めです。

 

 

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