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[空気調和④]工場の加湿の必要性|加湿の目安と湿度不足の解決策

工場での作業環境において、湿度が高くなるだけでなく不足することでも多くの問題が発生します。工場ではすでに温度管理や除湿による湿度管理が行われているところが多い一方で、湿度不足への対応は重視されていないところも少なくありません。
今回の記事では、工場における加湿の必要性として、湿度不足の原因や湿度不足によって起きる問題と解決方法となる加湿器について解説します。工場の加湿対策を検討する際に、ぜひ参考にしてください。

工場への加湿器の導入は、株式会社いけうちにご相談ください。
空調加湿の専門技術者が現地調査や設計を行い、工場で発生するさまざまな課題を効果的で省エネ・CO2削減にも強い加湿システムで解決します。


ドライフォグ加湿システムAirAKI(エアラキ)は2流体加湿器を用いて、ものに触れても濡れない霧(ドライフォグ)を省エネルギーで噴霧することができる業務用加湿器です。
より省エネ性能が高い1流体加湿システムAirULM(エアウルム)は、比較的天井高さがある現場にお勧めです。

 

<目次>
1.工場の加湿不足による問題と加湿の必要性
2.工場の湿度低下の原因
3.工場の設定温度・加湿の目安
4.工場の適切な加湿を実現する方法
5.まとめ

1.工場の加湿不足による問題と加湿の必要性

工場の作業環境を守るために温度管理や除湿に力を入れていても、加湿にはあまり積極的ではないケースは少なくありません。加湿は除湿と同じく、工場の作業や環境下において重要な役割があります。
ここでは、工場の湿度低下や加湿不足によって発生するさまざまな問題を解説します。

(1)従業員の健康を損なう

工場内の湿度が低下し空気が乾燥すると、そこで働く従業員は以下のようなリスクが増すでしょう。

【有害物質の吸入】

インクの蒸発や紙粉、ほこりなどが飛散しやすくなり、従業員が吸い込むことで健康を損ないかねません。

【感染症の流行】

呼吸器系の粘膜によるバリア機能が低下しやすく、咳やくしゃみの飛沫が空気中を漂う時間が長くなるため、感染症が流行しやすいでしょう。

【脱水のリスクやドライスキンによる痒み】

皮膚、粘膜、呼吸を通じて体から蒸発する水分量が増えるため、脱水や乾燥による肌トラブルなどのリスクが上がります。
工場内を適切な湿度に管理することは、従業員の健康を守るためにも必要でしょう。

(2)材料や製品の品質低下

空気が乾燥すると、工場で取り扱っている材料や製品の品質低下にもつながります。
たとえば紙や繊維などの吸湿性の高い材料は、空気が乾燥すると材料に含まれる水分が奪われ、伸縮や反りが生じることがあります。野菜や果物などの青果物や食材も水分が失われて品質が変化したり、絵画や木工品などはひび割れやひずみといった劣化が起こるでしょう。

製品の品質管理の観点からも工場内の加湿は重要です。

(3)静電気の発生による機器、製品への悪影響

空気が乾燥するとモノが帯電し、摩擦によって静電気が生じやすくなります。

静電気は痛みや不快なだけでなく、紙どうしがくっついてしまったり、印刷機器やコピー機に紙詰まりが起きるなどの原因となり、作業の中断による生産性の低下にもつながるでしょう。
また静電気が発生すると、例えば印刷工場では紙粉が付着し印刷不良の原因となったり、布を扱う工場では繊維が絡まるなど、商品としてのクオリティを保つのが難しくなるかもしれません。
さらに静電気によってコンピューターやシステムの誤作動や回路の故障、最悪の場合はショートによる出火など、生産ラインを停止せざるを得ない問題が引き起こされることもあります。

印刷機や紙への静電気の悪影響や解決方法については以下の記事でくわしく解説しています。

【印刷機や印刷用紙の効果的な静電気除去方法|発生原因、トラブル例】

静電気によるサーバールームへの影響は以下の記事で詳しく解説しています。

【サーバールームの湿度管理の必要性|湿度の影響と推奨基準、対策方法】

2.工場の湿度低下の原因

工場には、空気の乾燥や湿度の低下を招くさまざまな要因があり、適切な対策が必要です。
工場の湿度低下を招くおもな原因を順に解説します。

(1)暖房や機器による温度の上昇

空気中の水蒸気量が一定である場合、空気の温度を上げると湿度は低下する性質があります。そのため冬場に使用する暖房や工場の機器の集中的な稼動によって室内の温度が上昇すると、湿度が低下します。
冬場など空気が乾燥しやすい時期は取り入れる外気の湿度も低いため、加湿による対策が必要です。

(2)加湿能力が工場に合っていない、配置が不適当

工場に加湿器を導入していても、能力が不十分であったり配置などが不適当である場合には十分な効果を得ることが難しいでしょう。
導入時には、工場の実際の状態や解決したい課題を考慮して機種や加湿方法、配置などを決定する必要があります。

株式会社いけうちでは1流体加湿システム、2流体加湿システム、ハイブリッド加湿システムなど各種取り揃えており、空調加湿の専門技術者が現地調査や設計を行い、工場で発生するさまざまな課題を効果的で省エネ・CO2削減に強い加湿システムで解決します。


             1流体加湿システムAirULM                             2流体加湿システムAirAKI                       ハイブリッド加湿システムAirHYBRID

加湿器の種類と特徴については4章で詳しく解説しています。

(3)加湿器のメンテナンス不足

十分な機能の加湿器を取り入れていても、メンテナンス不足によって十分な性能を発揮できていないこともあります。

たとえば加湿器の中に水垢やスケール(水道水を加湿した際に残留するカルシウム、マグネシウム等がこびりついたもの)などがたまってしまうと、加湿能力の低下や故障を引き起こす原因になります。
また、定期的な清掃をしなければ加湿器内に雑菌が発生し、衛生的な問題が発生することもあるでしょう。

株式会社いけうちでは、メンテナンスにかかる手間や負担を解決できるソリューションとして、定期メンテナンス契約「まかせっ霧」を提供しています。
「まかせっ霧」は、加湿システムや冷房システムなどの機器へ必要なメンテナンスを定期的に実施するサービスで、空調加湿の専門技術者が、システム本来の性能を長く維持運用できる定期メンテナンスを実施します。

(4)工場内で使用している扇風機などの業務用機器

工場内では、室内に舞うほこりなどを室外に排出するために業務用扇風機が使用されることがあります。ところが、扇風機の風はほこりだけでなく加湿された空気も一緒に出してしまうため、湿度が低下する要因となるでしょう。

特に空気が乾燥しやすい冬場には、工場内の湿度や加湿能力と併せて扇風機などの使用条件の見直しも必要かもしれません。

 

3.工場の設定温度・加湿の目安

工場では、取り扱う製品・環境により適切な温湿度条件が異なります。
ここでは工場の設定温度と湿度の目安を紹介します。


                                   引用:https://www.wetmaster.co.jp/about/knowledge/air_conditioning/indication/

また、保健空調における温湿度の目安は以下の通りです。

年齢や性別、季節によって人が快適に感じる温湿度は異なりますが、以下の室内の快適条件も温湿度管理のひとつの指標になります。

詳しくは以下の記事をご覧ください

[空気調和②]工場の温度・湿度管理|法律や目安、おすすめの方法

.工場の適切な加湿を実現する方法

ここでは工場の作業環境の湿度を適切にコントロールするための方法として、株式会社いけうちが提供するソリューションを紹介します。

加湿器は、工場で取り扱う製品や原料・作業環境に応じて選定することが大切です。たとえば紙や繊維を取り扱う工場では、単なる加湿だけでなく、湿気による材料や製品への悪影響まで効果的に解決できる加湿器を導入しましょう。

(1)産業空調加湿システム「AirAKI(エアラキ)」

AirAKI(エアラキ)」は、空気をエアコンプレッサーにより高圧化し、平均粒子径7.5μmのモノに触れても濡れない霧(ドライフォグ)を噴霧する2流体加湿システムです。

現場を濡らすことなく湿度調整ができるため、製紙工場や繊維工場における湿度調整や、静電気発生や乾燥防止に多くの事例があります。蒸気式加湿システムと比較するとCO2排出量を約80%削減できるため、省エネ面でも効果的です。

AirAKIの導入事例は以下の動画を参考にしてください。

引用:【静電気の発生を約70%抑制!】冬物の生地を扱う際のお悩み解消|ドライフォグ加湿システム 納入事例インタビュー【有木株式会社様】

(2)ハイプレッシャー加湿システム「AirULM(エアーウルム)」

AirULM(エアーウルム)」は平均粒子径10~30μmの霧(セミドライフォグ)を噴霧して現場湿度を上昇させる、1流体加湿産業空調用ハイプレッシャー加湿システムです。

コンプレッサーエアーではなく高圧ポンプによって霧を微粒化しているため、ランニングコストを抑えつつ建屋全体をパワフルに加湿します。2流体加湿システムと比較すると約40%、蒸気式加湿システムと比較すると約80%コスト削減が実現します。ほかの加湿方式よりも加湿量を多く設計できるため、換気量の多い空間や天井の高い建屋の加湿にも最適です。

AirULMの導入事例は、以下の記事を参考にしてください。


引用:東洋紙業 さま「用紙不揃いや2枚差しがずいぶん減り、作業効率が大幅に上がりました。」

(3)クリーンルーム加湿システム「HandAKI(ハンダキ)」

HandAKI(ハンダキ)」は、空調機内・外調機内・ダクト内に設置可能な産業空調加湿システムです。クリーンルームやバイオクリーンルーム、発酵室や塗装ブースなどの直接加湿器の設置が難しい空間の加湿が実現します。

ドライフォグ噴霧により飽和効率90%以上の加湿が可能。密閉空間でも霧を濡らすことなく100%に近い加湿効率が実現します。

(4)1流体と2流体の良いとこ取り加湿「AirHYBRID(エアーハイブリッド)」

AirHYBRID(エアーハイブリッド)」は1流体加湿と2流体加湿の両方を組み合わせたハイブリッド型の加湿システムです。1流体加湿器によって湿度のベースを整え、2流体加湿器によってランニングコストを抑えつつ、最適な湿度を保ちます。

グラビア印刷工場といった有機溶剤を多用する現場など、多くの換気量が必要な現場や工場の湿度に関する問題解決に最適なソリューションです。

(5)オフィス・事務所用加湿システム「AU-KIT」

AU-KIT」はオフィスや事務所などのワークスペース向けの加湿システムです。工場内の事務所や食堂、倉庫、休憩所などのスペースの湿度を適切に調整します。

純水器も標準装備で、水道水などに含まれるカルキやミネラルなどの析出(白い粉の発生)を抑制しながら空間を加湿します。

 

5.まとめ

工場の湿度低下や加湿不足によって発生する問題と具体的な解決方法を解説しました。
工場内の湿度が不足すると、従業員の健康面から製品の品質まで、さまざまな面に悪影響が発生します。取り扱い製品や作業環境に応じた加湿対策を行うことで、工場の生産性や効率性にも大きく寄与するでしょう。

工場への加湿器の導入は、株式会社いけうちにご相談ください。
空調加湿の専門技術者が現地調査や設計を行い、工場で発生するさまざまな課題を効果的で省エネ・CO2削減にも強い加湿システムで解決します。

工場 加湿 必要 1
ドライ
フォグ加湿システムAirAKI(エアラキ)は2流体加湿器を用いて、ものに触れても濡れない霧(ドライフォグ)を省エネルギーで噴霧することができる業務用加湿器です。
より省エネ性能が高い、1流体加湿システムAirULM(エアウルム)は、比較的天井高さがある現場にお勧めです。

 

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